喫煙所は希少なコミュニケーションの場となっている。

10回以上失敗した末に、煙草を完全に休んでから早5年(たぶんそれくらいは経つ。1本も吸ってない)。その代替として強い酒に走っている面もあるが、今日はアルコールの話ではない。

先日、職場でフロアもセクションもまるで違う、接点のない者同士が仲良く喋っているのを見た。あれ、なんか一緒のプロジェクトだったのかな。たいして疑問にも思わなかったけど、そういう光景を複数回見かけてようやくわかりました。「そうか、スモーカー仲間か」と。

分煙が根付いてからというもの、スモーカーは喫煙所通いが当たり前になった。ところがだんだん非喫煙者が増え、お仲間の数は右肩下がり。そうすると、見知らぬ者同士でも自然とコミュニケーションが生まれるんですよね。

あの「ぷかー」は緊張をときほぐし、瞬間的にでも人を和ませる至福がある。内省に入る人もいるだろうけど、灰皿が限られたスペースでは、なんとなく互いが顔見知りとなり、会話が自然発生的に生まれるのは当たり前だろう。

そんなコミュニケーションを見て、ちょっとうらやましくなったのも事実。これって、タバコ吸いという肩身が狭い人同士の貴重な連帯じゃないかな。会社員の非喫煙者がリラックスして集うのはどこだろう。会議室ではない。社員食堂とか屋上とか? いやいや、どこだろうと非喫煙者同士はマジョリティだから、独自のコミュニケーションなんてできない。

シガーをやる人はもっと限られているから、シガーバーや葉巻OKのモルトバーに行くしかない。そこは仲間(同じ嗜好者)同士の連帯に加え、禁酒法時代のスピークイージーのような密やかなサロン的愉しみもある。

こういうコミュニケーションは非常に貴重だ。サードプレイス的な課外活動が大事になるわけですね。喫煙所へまでの行き来や、ぷかーとやっている時間がやれ無駄だとか、生産性が云々とかみたいな話もありますが、ぼくは「これくらいの時間はいいんじゃないかな」と思う。元喫煙者としての情で言っているのではなく、こうした時間を非喫煙者も積極的に割きましょうよ、という意味で。

集中して休憩を取らないという人もいるだろうけど、それはそれでもちろんOK。ただし早く抱えている荷物は早く下ろすことが前提です。