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IHIステージアラウンド東京を宝塚歌劇に使わせてみたい。

IHIステージアラウンド東京

360度客席が回転するIHIステージアラウンド東京で上演中の、劇団☆新感線『髑髏城の七人』。その「season鳥」を観てきました。

この”鳥”は、阿部サダヲ=捨之介、早乙女太一=無界屋蘭兵衛、森山未來=天魔王、松雪泰子=極楽太夫の布陣です。前回の”花”とは打って変わり、コメディ色を押し出した演出は阿部サダヲさんでなければ無理。「裸の大将」のようなうつけ者の捨之介を、小栗旬さんが演じることはあり得ません。

この”鳥”でMVPを挙げるなら早乙女太一さんです。立ち回りと刀さばき、アクションどれを取ってもズバ抜けてます。阿部サダヲさんも相当頑張ってますが、彼の殺陣の前では動きがスローに見えてしまう。

加えて早乙女さんは見た目が美しい。そりゃ女性ファンは目がハートになっちゃいますよね。この日は水美舞斗さん、城妃美怜さんら宝塚花組の生徒さんをロビーで見かけたのですが、彼女たちにも感想を聞きたい気分でした。

髑髏上の七人 鳥

それにしても。IHIステージアラウンド東京という巨大で仕掛けのある大箱(座席数1,300)を、新感線以外でどの劇団が使いこなせるでしょう。「シルク・ドゥ・ソレイユ」は装置よりもむしろ人間技の極みだし、ディズニーをやる劇団四季だってセットを売りの前面にしてはいない。

ならばいっそ宝塚歌劇はどうか。単なる特別公演ではなく、組と組を合体させて、芝居ではなくショーを見せる。ショーは演出家の競作・合作で3部構成で。本公演とのスケジュールを抜本的に組み直さねばならないけど、やってみる価値はあるでしょ。豊洲というアクセス悪い場所でも、ヅカファンは喜んで通うはずです。360度回転して見渡す限りジェンヌだけ。卒倒しそうです。

前日に観た芝居『プレイヤー』は、舞台上にオーケストラのようにパイプ椅子が並べられているだけのシンプルなセット。『髑髏城の七人』とは対照的でした。

『プレイヤー』のパンフレットに同作を演出した長塚圭史さんと、野田秀樹さんの対談が掲載されてます。その中でまさにIHIシアターに言及しているのですが、二人ともこの劇場をさほど歓迎していない様子。

野田さんいわく「先端技術に興味がないわけじゃないけど、使うならあくまで単純かつアナログ的に」、長塚さんも「演劇はローテクであれと思ってます」とつれない感じです。

二人の演劇人の主張、理解できるのですが。せっかくなら「おれならこう使う」くらい言ってほしかったかな。

『髑髏城の七人』が4シーズン、1年以上も公演が続き、チケットが売れ続けている現実。もはや新感線のファンや演劇ファンだけが通ってるだけではないでしょう。

ぼくは「分かる人が分かればいい」とよく口にしてしまうけど。野田さんや長塚さんクラスは、そうじゃないですよね。もっと大きく演劇界のことを考えてもらわなきゃ。まだまだ演劇は裾野を広げる余地があります。

シアターコクーンや東京芸術劇場のような中劇場をメジャーにしたお二方です。箱のキャパやケレンも使いこなして、「こんな素晴らしい世界をまだ知らないの?」と上から目線で世間をあっと言わせてほしいですね。

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性