とんかつの名店「とんき」は、ホスピタリティにも目を見張る。

JR目黒駅西口から徒歩2分。目黒通りの権之助坂を少し下り、左側の路地を入ったところに、とんかつの名店「とんき」があります。

ここは、味・雰囲気・清潔感すべてバッチリです。ググってもらえば、それらの情報がたくさん出てきます。16時の開店と同時に長蛇の行列必至ですが、回転はわりと速い。ぼくが入った日曜18時前後は、10分から15分くらい待って席に着くことができました。

ぼくは行列嫌いだけど、ここでは全く苦にならない。従業員の仕事ぶりが見てて楽しいから。2階のテーブル席を選ばず、1階カウンター席に並ぶのはこれが見たいからでもあるんです。

肉にパン粉と卵黄を絡ませて仕込む人、油で揚げる人、ごはんを管理する人、洗う人。20人は下らない職人さんが一堂に集う、広々とした厨房は一見の価値ありです。

それを囲むようにカウンター席が広がり、さらにその外側を囲んで壁際で順番待ちしているお客さんがいる。これがおなじみの風景です。壁際に長椅子があるので、座って待てるのもラクでいいですね。

店に入ると「何名か」と「注文」を必ず聞かれます(注文が決まってないと後回しにされる)。ぼくはロースかつと串かつを頼みました。

客は並ぶとき、長椅子の空いているスペースを見つけてランダムに座って待機するのですが、厨房の職人さん(いつも同じ人)は絶対順番を間違えません。最初に店に来たとき、これにまず驚きました(客の着ている服の色や柄、何人連れかで判断しているとみた)。

とんきのロースかつ、酒

で、呼ばれてカウンター席に座ると同時に注文したものが出てくるんです。お酒を頼むと、ごはんを後回しにしてくれます。以前、一人で行った際は、お酒を頼んだらサッと新聞を持ってきてくれたっけ。これが2度目の驚き。

3度目の驚きは、キャベツやお味噌汁、ごはんのお代わり。無くなると同時に「いかがですか?」とキャベツの入ったザルを抱えたお姉さんに声をかけられます。

「すいませーん」と呼んだり、アイコンタクトしたり一切してません。なのに、ですよ。不思議で仕方ない。

食べ終わると同時に二度目のおしぼりがカウンターに置かれ、楊枝のフタをしているコップが外される。

一連の無駄のない、流れるようなホスピタリティ。これにもやられてしまうんですよね。

心の味といえる店が東京に何軒かあるけど、ここはそのうちの一軒なのです。自宅からは反対方向ですが、渋谷で芝居のマチネを観た帰りにでも、定番にしようかと思ってます。

ブルータス とんかつ特集