『スカーレット・ピンパーネル』と紅ゆずるさんと礼真琴さんのこと。

ただいまー!って、違うか。星組公演『スカーレット・ピンパーネル』を観に、宝塚大劇場に来ました。

前日は北野天満宮の骨董市を冷やかし、ちょうど5周年の森林食堂に立ち寄るなどして大阪泊。この休みのメーンイベントである宝塚観劇です。

宝塚大劇場 星組公演『スカーレット・ピンパーネル』
  • 作:バロネス・オルツィ
  • 脚本:ナン・ナイトン
  • 作曲:フランク・ワイルドホーン
  • 潤色・演出:小池修一郎

 

星組「スカーレット・ピンパーネル」

18世紀末、革命直後のフランス。罪のない貴族を次々に断頭台に送り込む新政府の恐怖政治に反発する英国貴族パーシーことパーシバル・ブレイクニー(紅ゆずる)。彼は正体を隠し、密かにフランス貴族を国外に脱出させていた。指導者ロベスピエール(七海ひろき)のもと、スカーレット・ピンパーネルと名乗るその男の逮捕に執念を燃やす革命政府の公安委員ショーブラン(礼真琴)。かつては革命の闘士でもあった花形女優の新妻マルグリット(綺咲愛里)との愛と裏切りに苦悩しながら、パーシーは亡きフランス国王の遺児ルイ・シャルルの救出という大仕事に挑む。

いや〜、素晴らしかった。小池さんはファンが観たいものを見せてくれる、期待を裏切らない演出家です。「海外の優れた演目を輸入しているのだから当たり前だ」という意見があるようですが、何を言うかね。そんなのは翻案する作り手の腕次第で傑作にも駄作にもなるのだよ。

さて、演者。新トップスター・紅ゆずるさんは、演技での苦悩の表情がたまりません。初演再演で主役を務めた安蘭けいさん、霧矢大夢さんは「新婚当日に妻を裏切るなんて」というセリフが俺様演技で、これはこれで良いのだけれど。紅さんの場合は表情が「悲しげ」でもなく、表情が「なくなる」のです。なんと切ないことよ。紅さんの抜群なコメディセンスよりも、これまで彼女が歩んできた、決して順風満帆ではなかった道を想像し、胸が熱くなりました。

ぼくが応援している礼真琴さん。この人は地声が低いため、かわいいルックスとは裏腹に、意外にショーブランという悪役が似合う。最初の登場シーンでは、柚希礼音さんの再来かと思いましたよ。おそらくシャープに見せるためかと思いますが、顔は肌色に近いドーランでいいのでは。もみあげも気になるんだよな。もっと短くていい。
肝心の歌。ソロの持ち歌は言わずもがなの歌唱力を発揮。歌に「説得力がある」とはまさにこのこと! 礼さんについて語ると非常に長くなるので、また別の機会に触れたい。

新トップ娘役・綺咲愛里さん。彼女と礼さんの二人で、これまでの同役に比べ、一気に若返りました。紅さんの相手役であり、マルグリットという引退を控えた女優であり、この難役はどうかなと思いましたが。もうバリバリの現役感で、これはこれで良いですね。なにしろこの人は、ヅカにいるのが不思議なくらいギャルギャルしたキュートさですが、かえってそれが効果的でした。

星組「スカーレット・ピンパーネル」

何はともあれ、新生星組、最高の船出ですね。タレント豊富なこのメンバーの座組みで、どういう演目が組まれるのか楽しみです。