追加公演としてアナウンスされた12月19日の東京公演7日目。東京ラストとあってか、客席はけっこうな熱気でした。クリムゾンというグループは、いつなんどきでも高クオリティのパフォーマンスを維持しますよね。SS席2万円、S席16,000円(当日17,000円)という安くないチケット料金を、日本ツアーどの開催地でも統一しています。帝劇でミュージカル観るより高いんだもんな。この強気ぶりは、実力と自信の表れなのでしょう。
【KING CRIMSON】12/19(水)東京公演のセットリストを公開!明後日はいよいよ日本ツアー全15公演の最終日、名古屋へ!東海地区の皆さん、お見逃しなく!#KingCrimson pic.twitter.com/T7RoLHYkTP
— Creativeman (@CMP_official) December 20, 2018
東京での最終日ですが、メンバーのテンションは全くといっていいほど変わりません。感傷のかけらもない。すごいテクニックを淡々と演奏するのが流儀なんですよね。
この日のプログラムは、僕個人的には正直ベストではなかったです。内容的には前日の6日目、前半の3日目が突出していました。これも好みですが、「PRINCE RUPERT AWAKE」「FALLEN ANGEL」「DISCIPLINE」「IN THE COURT OF THE CRIMSON KING」が特に聴きどころでした。
「IN THE COURT OF THE CRIMSON KING」のラストで、フリップ師がキーボードを前腕でかき鳴らしてフィニッシュさせる奏法の、まぁかっこいいこと!
「MOON CHILD」の後半のアドリブパートは、ベースのトニー・レビンさんがEUBを弾きながら歌うサービスも。これには隣でギターを弾くジャッコ・ジャクスジクさんも驚いて拍手したほど。この後、ほんとうに瞬間的でしたが、ロバート・フリップ師のSoundscapes的な演奏も聴けたのがうれしかった。フリップさんのサウンドスケープは最高です。ソロアルバムを聴いていない方、ぜひおためしを。
それにしても。3年前に見たときは、感傷的な気分になったものですが、今回は違いましたね。早くも次回公演を楽しみにしてしまっている自分に苦笑してしまいます。昔のクリムゾンなら考えなかったことですが、それほどに「名曲回帰する今現在のクリムゾン」がすごいということなんです。
まだまだ2010年代のクリムゾンが演っていない曲あまた。「In The Wake Of Poseidon including Libra’s Theme」とか、それこそアルバムの「Discipline」の曲とか。
来年2019年には英ロイヤル・アルバート・ホールでの公演が控えていて、飛んで観に行きたいくらい。来年以降はどんな仕掛けをしてくるのでしょうか。老いてなお、アメーバのように形を変え続け、輝きを増すキング・クリムゾン。これからも追い続けます。