いよいよ目的の蒸溜所巡りスタートです。今日は二つの蒸溜所を見学しました。ベンネヴィス、スカイ島のタリスカーです。
ベンネヴィスは日本のニッカウヰスキーが所有する蒸溜所です。ベンはゲール語で山を、ネヴィスは水を意味し、背景には英国最高峰の山が広がります。
シングルモルトをベンネヴィスはほとんど見かけないですが、ビジターセンターでノンピートの10年ものと、ピーティなやつを試飲させてもらいました。後者はお茶感もあってするするといけるのですが、日本ではリリースされていません。商品化を希望したいですね。
この旅行はウィスキー文化研究所の企画で、ウィスキー評論家・土屋守さんがガイドと通訳をしてくれます。そのプレミア効果がさっそく。というのも、見学に際しベンネヴィス蒸溜所社長のコリン・ロスさんが自ら迎えてくれたのです。ロスさんは購入したボトルにサインをしてくれるサービスぶり。ちなみにこのジャガーはロスさんの車。ナンバープレートがおちゃめです。
2番目の訪問地はタリスカー蒸溜所です。ベンネヴィスから車で約1時間30分。原始から手つかずといった山と海、その側にアスファルトをだけ敷いたかのような道路を走ります。移動の途中は雪が舞ったかと思えば、青空が広がったり。かと思えばまた雪。目まぐるしく変わる気候も楽しいです。
スカイ島は4月末だというのに、寒風(というか冷風)吹きすさぶ天気。まさにタリスカーというスコッチウィスキーのイメージそのものです。
火山の島なので、岩がゴロゴロ、至るところ滝だらけです。水が流れ下ってしまうので取水しづらく、慢性的に仕込水不足の難題を抱えています。島唯一の蒸溜所というのもうなずけます。ウィスキーを作る条件が厳しすぎるんですよね。
タリスカー蒸溜所は着いてビックリ。ビジターセンターは観光客だらけ。それくらいまだいいのですが、残念だったのは製造工程の写真・ビデオ撮影がNGだったこと。発酵槽からポットスチルのある生産棟、保税倉庫まですべてです。
タリスカーのガイドさんによれば、ラガヴーリンなど同じディアジオ系列の蒸溜所はカメラ持ち込みすらもダメとか(いったん預けなければならない)。スパイ行為のようなトラブルでもあったのでしょうか。昨今のウィスキーブームで、蒸溜所が脚光を浴びるなか、この秘密主義は意外でした。見学の最後の試飲がタリスカーストームというのも、なんだか普通です。日本で飲めるし。
今日はスカイ島最大の町、ポートリーに泊まります。