午前はスコットランドの歴史に名を残すダンヴェガン城を、午後は映画『天使の分け前』で知られるバルブレア蒸留所を訪問しました。バルブレア蒸留所では、ゲストが自分で樽から瓶詰めできるハンドボトリングを体験しました。
ダンヴェガン城は勇猛なマクロード家の居城で、現当主は29代目だそう。ボニープリンスチャーリーのチョッキ、妖精が「マクロード一族が窮地に陥ったとき、掲げれば災いを逃れられる」と授けたという伝説がある「fairy flag」などが飾られていました。旗自体はかなり年季が入っていて、こういうストーリーを聞かないと「額装された布切れ」でしかありませんね。内部はすべて撮影禁止でしたが、代わりにその絵ハガキの写真を。左側がその旗、右側は家系図です。
庭園にはヘザー、シャクナゲが至るところに咲いています。このエリカは南アのもので、国固有種のヘザーは7月から8月にかけて咲くそうです。
この黄色い花はハリエニシダです。遠目から見ると菜の花のようですが、アップにして見るとこんな感じ。
近づくと甘〜い匂いが鼻をつきます。ん?この香り、どこかで嗅いだ気が。記憶を手繰り寄せて思い出しました。これ、ソフトクリーム消しゴムの匂いだ。子どものころに使って、友達同士でクンクンしたものです。懐かしい。今もあるんでしょうか。
ハリエニシダは4月から5月がまさに旬。スカイ島では道のそこかしこで見かけます。が、匂いにつられて顔や手を突っ込むと大変。周りに棘が無数にあるのが写真で見えますか。うかつに触れるとチクチクがものすごく痛いので要注意です。
スカイ島から離れ、車は一路スコットランド北西部から北東部へ。約400km、所要約3時間。バルブレア蒸溜所を訪問しました。
ここはケン・ローチ監督の映画『天使の分け前』に登場する蒸溜所。実際のロケもここで行われたそうです。ビジターセンターには監督のサインが入ったポスターが。
案内してくれたのは所長のジョン・マクドナルドさん。ここに来る前まで、グレンモーレンジ蒸溜所で働いていたという人です。
スタッフ6人、ジョンさん、アシスタントマネジャー、レセプションのたった9人の少人数運営だそう。昨今の世界的なウィスキー人気で生産スピードを上げる蒸溜所が多いなか、品質のためにむしろその反対のことを行っているそうです。
ジョンさんのガイドはジョークも交えながら、詳細まで明かしてくれるサービスぶりで、まんまとファンになってしまいました。シングルモルト3種テイスティングの後は、ハンドボトリングでの販売が。2002年樽詰め、つまり15年もののカスクストレングスです。ぼく?もちろん購入しました。
今日はネス湖近くのインバネスに泊まります。