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ニッカ ブレンダーズ・バーで「鶴17年」。

南青山のニッカ ブレンダーズ・バー

東京メトロ表参道駅B2出口から徒歩5分ちょっと。骨董通り沿いにあるニッカ ブレンダーズ・バーを初めて訪ねました。その名の通り、ニッカウイスキーのボトルが数えきれないほどあります。

それもそのはず。ここはニッカウヰスキーの本社B1にあるBAR。ニッカのお膝元でニッカざんまい、というわけです。

さっそく余市蒸留所限定の「シングルモルト余市 ピーティ&ソルティ」をハイボールで。別にぼくがリクエストしたわけではなく、メニューに載っているハイボールです。

煙く、しっかりした飲み口のハイボールをいただきながら、メニューをめくって研究。7割がニッカウイスキー、1割がスコッチ、1割がその他ウイスキー、1割がカクテルという印象です。

今や貴重というか、骨董のような終売品や蒸留所限定品の数々が。メニューにしれっと、余市や宮城峡の年数物が記されています(その字がいつ消えるか=在庫が尽きるか、分かりませんが……)。

当然それは素晴らしいのですが、希少なウイスキーを飲ませてくれるだけではありません。

ブレンダーズ・バーの客だけにブレンドしたオリジナルウイスキーが飲める

のが、どこも真似できないこのBARの強みではないでしょうか。

ブレンドするのは5種類のキーモルトとカフェグレーン。キーモルトは余市シェリー&スイート、余市ピーティ&ソルティ、余市ウッディ&バニラ(バニリック)、宮城峡フルーティ&リッチ、宮城峡モルティ&ソフトです。

以上を統一材料に、歴代のマスターブレンダー6人がその比率を調整したのが、このBARオリジナルのウイスキー。ですから同じ原液を使いながら、それそれ異なるテーマと個性を持ったウイスキーが楽しめるんですね。

たとえば「竹鶴威 メモリアルブレンド」は第2代マスターブレンダーを務めた竹鶴威(たけつる・たけし)さんが追い求めた「まろやかさ」を具現化し、カフェグレーンを50%使用(レシピは現チーフブレンダー・佐久間正さんによるもの)。

第4代マスターブレンダーの山下弘さんがブレンドを手がけた「ブレンダーズ・ウイスキーNo.3」はモルト主体。余市ピーティ&ソルティ16%、宮城峡モルティ&ソフト24%と、この数字を見ただけでパワフルなウイスキーなんだろうなと想像させてくれます。

で、ぼくはといえば、さんざん迷った揚げ句、終売品というメニューの括弧書きにつられ、「鶴17年」をいただきました。

鶴 17年

  • 香り…強い。レーズンバター、除光液。加水してシトラスフルーツ。
  • 味…ひじょうにスムース。レッドカラント、ダークチェリー、マーブルケーキ、チョコミント。加水してメロン。
  • 総評…香り強く、味穏やか。長熟ものならではのドライフルーツ山盛り感と、優しいテクスチャー。言葉はいらぬ。

ニッカ ブレンダーズバーで「鶴17年」

ああ、昔のシェリー樽由来のウイスキーとカフェグレーンを混ぜて、長い眠りから覚めるとこうなるのか。と感じさせてくれます。

とりあえずテイスティングノートを記しましたが、メモするのが空しく感じるほどの高い完成度。大量流通ではないにせよ、ちょっと頑張ればこの「鶴」に手が届いた時代があったのでしょうか。瞬間、古き良きウイスキーの姿を見た気がしました。これもまた、幻か。

やっぱニッカ、すてきです。次回はブレンダーズ・ウイスキーか、年数物か。ほんとうに幻となる前に、また訪ねます。

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性