あまりに突然で、衝撃的で、言葉が出ません。
多くの人が『ブロウ・バイ・ブロウ(Blow by Blow)』(1975年)や『ワイアード(Wired)』(1976年)を挙げるけど。
ぼくは『ギター・ショップ(Jeff Beck’s Guitar Shop)』 (1989年)から入った身です。
学生時代、初めてこれを聴いたときのカッコよさといったら。
ホンダ・アコードというクルマのCMに「Stand on It」が使われていて、それをフルコーラスで聴いたときの感動とか、ギターバラードな趣の「Two Rivers」とか。
テリー・ボジオというドラマーを知ったのも本作で、前半の2曲のドラミングは聴き慣れると完全にボジオ印なんですよね。
ロッド・スチュワートやあまたのアーティストとのコラボでもおなじみでしたけど、若手との共演にも衒いがなかった。
2007年に当時1stソロアルバムを発表したばかりの女性ベーシスト、タル・ウィルケンフェルドと共演し、自分のバンドに引き入れました。
何かのインタビューで「タル、すげぇだろ」と鼻高々に話していて、おかげでぼくはビルボード東京で開かれた彼女の来日ライブに行ってしまったくらいで。
タル・ウィルケンフェルド、テリー・ボジオ、ビニー・カリウタなど、考えてみればジェフ・ベックを介して知ったんだよな。
こんな凄い人たちを教えてくれて、30年以上経った今に至るまで聴いている。
これからも作品だけでなく、繋がっているミュージシャンでジェフ・ベックを思い出すことがあるんだろうな。
いまだに信じられず、悲しいという感情も沸かないくらい実感がありません。