星組公演『RRR×TAKA“R”AZUKA』観てきましたよ(2024年3月16日マチネ)。
いやぁ~、想像以上というか……想像の遥か上を行く出来栄えに感激でした。
すぐここに書こうとしていたんだけど、なかなか心の整理・感想がまとまらなくてね。
「24日の2回目の観劇後でいっか」となっていたんだけど、このタイミングでつらつら書きます。
実質ダブル主演の『RRR』
『RRR』オリジナルである2022年のインド映画、未見ですが十分楽しめました。
インド映画といえば狂乱のダンスミュージカルの印象なので、勝手に『ノバ・ボサ・ノバ』のようなタッチを想像していたのですが。
まったく違いました。
谷貴矢先生は要チェック、期待がもてる演出家ですね。
今回もスピードと迫力を兼ね備えていて、3時間の長尺をよくまとめられたなぁ。
結論としては、トップスター礼真琴と2番手スター暁千星でしか完遂できない演目だな、と。
もちろん格付け上は礼さん主演ですが、事実上のダブル主演といってもいいくらい。
個人的に長年、礼さん贔屓の立場ではあるものの、暁さんのステージでの輝きは見ていて怖くなるくらいですわ。
「ナートゥをご存じか!」の痺れるセリフ後の、あの足技を使うダンス。
劇中最大の見せ場のひとつで、これができるのは現在の劇団在籍メンバーでこの2人のみでしょう。
この演目のために暁さんを呼んだのでは、ってくらいだね。
痛快無比の勧善懲悪、悪い登場人物は圧政を敷くインド総督くらいのもので、ストーリーも演出も好きな話でひじょうに楽しめたのですが。
それ以上に礼×暁のコンビの凄さに言葉を失いましたね。
下級生時代から注目を集め、あっという間にトップスターとなった礼さんは向かうところ敵なしで、むしろトップとしての孤高の立ち位置にいます。
同期の柚香光さんも退団しちゃうし。
少なくとも現状の劇団内では、誰も目標とする人がいないわけです。
がしかし、ここにきて初めて「追われる立場」を意識しているかもしれません。
突如、月から現れた「星」の名を抱く2番手スターに。
礼さん、舞空瞳さん、そして暁さんと、首席がひしめく星組、なぜこうも才能が集うのでしょう。
よその組とのパワーバランス、公平性に欠くようで心配になるくらい……って、いちファンがどうこう言っても詮ないですが。
前衛的な演出と、暁さんの女装にシビれた『VIOLETOPIA』
ショーの『VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)』は、指田珠子先生によるレビュー作品。
劇場を舞台に熱狂と退廃を描いていますが、これまでにないアバンギャルドな手法に魅了されました。
娘役スターを下に置くことなく男役と総踊りさせるナイスな演出の一方、ロケットに男役スターを入れる、パレードの大階段で男役スターを混ぜるなど、従来のセオリーを打ち破っているのも好感。
しかし最も度肝を抜かれたのは、暁さんの女装(シャンパンS)。
まぁとにかくきれいだわ(これ以上は書けない)。
まとめ
谷先生も指田先生もいい感じですね、旧習をバンバン塗り替えて、新風を巻き起こしてほしい。
青木朝子先生のメロディも相変わらず甘美ですが、とにかく難しい印象。
もっとも青木先生は「スターのレベルに合わせて曲を当て書きする人」なので、礼さんに贈るなら、そりゃ難曲になるよね。
今回は2階席にも客席降りの演出が復活して、ほんとの意味で流行り病が明けたんだなと感慨。
あと1回の観劇、楽しみます。
インド映画の『RRR』を履修しなきゃだな。