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映画『THE GUILTY/ギルティ』の冷たい収束。

映画『ギルティ』

(以下結末には触れませんが、観終わった後で読まれることをお勧めします)
仕事柄、試写状が送られてくることが多いのですが、そのときの前情報だけで「これは面白そう」という直感は当たります。この『THE GUILTY/ギルティ』もそういう映画でした。

コペンハーゲン警察の緊急ダイヤルのオペレーター、アスガー(ヤコブ・セーダーグレン)は、今まさに誘拐され、移動中の自動車の車内らしき場所からかけてきた女性自身の通報を受ける。アスガーは電話の位置情報、音声で聴こえてくる微かな音だけを頼りに、女性を救出しようとする。

果たして誘拐された女性は救出できるのかという縦軸に、アスガー自身の問題が絡んでいます。時間が経つにつれ、彼はどうやら第一線で活躍していた刑事で、ある事件の捜査過程でなんらかの問題を抱え、現在のオペレーターという不本意な任務をさせられていることがわかります。これはそんなアスガーの現場復帰を目前とした、ある1日の話なのです。

ほどなく女性を誘拐したのは、別れた前科者の夫だと判明します。犯人である夫は、子どもと暮らす女性を無理やり連れだし、凶器にナイフも持っている。そんな凶暴な男のスキを見ているとはいえ、女性はなぜ男に気づかれないように電話できているのか。なんだか不思議なんですよね。

そして結末へ。この女性の誘拐事件とアスガー自身の問題を同時に収束させる展開に、「そうきたか」と黙ってしまいました。なんというか、とにかく黙るしかない。

なるほど映画のタイトル「GUILTY」とは、「有罪の」「やましいところがある」「罪の自覚がある」という意味なのですね。タイトルの意味が結末で氷解します。

登場人物はアスガーとその同僚たち数人、そして音声のみの俳優だけ。音楽はなし(エンディングロールのアンビエント的なスコアのみ)。舞台は緊急ダイヤルのオペレーター室のみのワンシチュエーション。アスガーを演じるヤコブさんも日本では有名ではありません。

そう、派手さが全くない。だからヒットからはほど遠い映画かもしれませんが、この脚本の巧みさは後引く余韻があります。ヤコブさんの表情ドアップとヘッドセット、警察内での電話を駆使する手元など、クローズアップのカットが多いのも、あえて観客の想像力を助けるかのようです。

たとえが変ですが、上手い噺家が、よくできた落語を高座で噺しているような。ハリウッドリメイクはありうる話ですが、どちらかといえば演劇の戯曲向きの気がします。

しかしこの冷たい終幕は、流行りの北欧スリラーの面目躍如なのか。なんだかスッキリしませんが、よくできた映画であることは確かです。平日の代休を使って観に行ったのですが、客席は意外にも7割の入り。地方での上映はもちろん、ロングランされたらいいですね。再度ディテールを確かめたくなるような映画でもあります。

映画『THE GUILTY/ギルティ』ネタバレなし

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hiroki「酒と共感の日々」

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