NHK連続テレビ小説(朝ドラ)の『まんぷく』、チラ見していて思うんですが。主演の安藤サクラさん、いい顔してますね。
安藤さんといえば、『万引き家族』(2018年、是枝裕和監督)での演技でブレイクした感がありますが。なんというか、超という字が付くほどの個性派女優という印象でした。
日米欧どの国にも、ステロタイプの二枚目俳優、美人女優はほぼいなくなってしまった。今の俳優は皆さん、いろんな役柄を演じたがり、イメージの固定化を嫌う。いろんなキャラクターを演じられる力のある人なら全然OKなんですけどね。
だから、「個性派」という手垢が付きすぎた枕詞を使うのはどうかと思いますが、安藤さんはまさにそれを地で行く稀有な女優という印象です。
はっきり言うと、キラキラ系の女優さんではないですよね。キラキラの対極にあるのが安藤さんではないかと思えるくらい。ですが、『まんぷく』を見ると、まさに輝いているという表現がぴったり。ときにキュートに見えるときすらあるから不思議です。
『まんぷく』ヒロインの福子というキャラクターもあるのでしょうが、この役を心底楽しみ、夢中になっているからなのだろうなと思います。
何かに夢中になっている人、集中している人の顔は本当にいい。特に女性は、こちらがハッとする瞬間や、きれいだなと見とれてしまう瞬間がある。
アスリート、スポーツ選手を例にとると分かりやすい。たとえが古いですが、12年前の2006年トリノ五輪、イナバウアーで魅了したフィギュアスケート金メダルの荒川静香さんの演技は、ほんとうにきれいだった。
恋愛の力もすごい。卓球の福原愛さん、テニスの杉山愛さんが結婚発表でメディアの前に姿を現したときなんざ、驚きました。紛れもなく本人だけど別人というくらい、かわいく、きれいになっている。
夢中になるものがあるのは素晴らしい。「夢中」とは「才能」という言葉にも置き換えられるとも思います。
夢中になれるものがある、ないとでは大違い。
日常では険しい表情になりがちなんですが、眉間にしわならまだしも、悪相にならないよう気をつけたい。やっぱり、好きなもの=夢中になれるものに勝るものはありません。それに打ち込んでいれば、自然と「いい顔」になってくるはずです。