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仙台文学館で井上ひさしの劇作に触れる。

仙台文学館

仙台駅から路線バスで20分余り。仙台に縁のある小説家、文学者の作品や貴重な資料を収蔵・展示する仙台文学館を訪ねました。仙台と文豪はあまり直結しない印象でしたが、土井晩翠や島崎藤村、魯迅といった人々に縁があったんですね。

行った日は、「井上ひさしの劇列車」と題された開館20周年記念の特別展を開催中でした。井上ひさしは中3から高校卒業までを仙台で過ごした縁で、この仙台文学館の館長に就任したんだとか。

井上さんが単なる名誉職で引き受けたわけではないのは、寄贈している台本原稿やメモの数々を見れば想像できます。多忙の合間にたびたび訪れたそうで、ここで講演や対談、文章講座や戯曲講座も開いていたそう。それも単発イベントではなく、連続開催のうえに、提出してきた受講生の作文に直接赤入れしていたらしい。その講座、受けたかったなぁ。すごいですよね。

「井上ひさしの劇列車」の展示は、井上さんが敬愛して研究し、戯曲化した作品(というか作家)ごとに展示が区分けされていました。

『イーハトーボの劇列車』は宮沢賢治、『人間合格』は太宰治、『太鼓たたいて笛ふいて』は林芙美子、『組曲虐殺』は小林多喜二。ほかにも『頭痛肩こり樋口一葉』『吾輩は漱石である』『泣き虫なまいき石川啄木』など、自らの好きな作家をとことん研究し、演劇に昇華させています。

ガラスケース内に収められた井上さん直筆の台本原稿やメモ書き、書簡を読んでいると、この人が偏愛というくらい対象を愛していたのがわかります。文字そのものが「井上フォント」と呼びたくなるようなクセ字なのも面白い。字を黒く塗りつぶした書き損じの後に、意外な子供っぽさを垣間見た思いです。

実をいうと、ここに来る前に東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館を訪ねたのですが、なんとリニューアル中とかで休館。それでもめげず、バスに乗って行った甲斐がありました。車がなくてもバスで来れますので、本好きには足を運んでみることをお勧めします。

仙台文学館「井上ひさしの劇列車」展

仙台文学館の内部

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hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性