京都・東本願寺から徒歩5分ほどの場所に、「渉成園」(しょうせいえん)という雅やかな庭園があるのを見つけ、足を運んでみました。
国指定の名勝、渉成園は東本願寺(真宗本廟)の別邸です。三代将軍家光から土地の寄進を受けた東本願寺十三代宣如上人が、1653年(承応2年)に隠居の場所として定めたのがこの庭園。作庭は同府内の名園「詩仙堂」を開いた石川丈山と伝えられます。
創立以来たびたび火災に遭い、現存する建物は1864年(元治元年)の蛤御門の変での火災以後に再建されたもの。以降、明治天皇をはじめ岩倉具視、皇太子時代のニコライ二世、首相時代の吉田茂、ヘレン・ケラーなどの著名人が訪れたそうです。
訪れたタイミングはちょうど桜の季節とあって、花と建物が調和した景色が。ほか、スイセンやアセビなどを見ることができました。なるほど、お坊さんの隠居の地というだけに、回遊式の庭園自体は目を見張るほどの美というよりは、仏寺庭園らしい自然や四季の移ろい、日々の変化を愛でるというような設計だと感じます。
京都は神社やお寺、古刹名刹が数多いですが、ここは全く知りませんでした。京都駅から徒歩10分の距離にある穴場として、四季ごとに訪れても面白いと思います。開園は9時〜17時(11月〜2月は16時まで)、参観料は500円です。