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主催者の愛とユーモアを感じた、神奈川県立歴史博物館「洞窟遺跡」展。

神奈川県立歴史博物館で開かれた特別展『洞窟遺跡を掘る-海蝕洞窟の考古学-』(2022年4月29日〜同年6月26日)、いい展覧会でした。

浦半島の南端に多く存在する海蝕洞窟から発掘・出土した遺跡を紹介するもの(洞窟探検的なものではありません)。
海蝕(かいしょく)洞窟とは、「長い時間をかけて波に削られ形づくられた自然の洞窟」(展覧会チラシより引用)のこと。
弥生時代、古墳時代から人々が暮らしていた痕跡が、貝殻類(アワビなど)やサメの歯を包丁にしたものや、釣り針などからわかります。
当地の遺跡は、人骨も出土することがあるようで、それらも展示されていました。

今回、最も面白かったのは、展示構成の演出の妙。
無数の発掘品を通常のキャプションだけでなく、博物館の学芸員による「手書き」のひとことを添えて紹介していたのです。
切り取ったスケッチブックにメモ書きするように。

たとえば「移植ゴテは通常の掘るとき、竹ベラはより細かく掘るときに使います」(上アイキャッチ写真左上)とか、「出土されたときの配置を再現してみました」とか。
ときにフリーハンドのイラスト(かわいくて上手!)も添えてあって、和ませてくれます。
展示ひとつひとつにスタッフが深い愛情を注いでいることがわかるし、なにより見学者は理解を深められます。
手書きって素晴らしいですね、ついつい読み込んじゃうわ。

落語会の開演時刻1時間前に入ったのですが、この企画展を見るだけで精いっぱい。
3階と2階にまたがる常設展はザーッとだけ見て時間切れ、見込みが甘すぎました。
次回は常設展だけでも最低1時間は確保して見学します。

下写真は、会場に入ってすぐにある、スタッフの作業場。
これをまるまる公開し、写真までOKしてしまう度量の大きさよ。

神奈川県立歴史博物館『洞窟遺跡を掘る』

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神奈川県立歴史博物館

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