長野県立美術館には、特に春夏に観るにうってつけの屋外展示があります。
中谷芙二子さんの『霧の彫刻 #47610』という作品です。
美術館のサイトや展示のキャプションによると、「特殊なノズルから高圧力で水を噴出させ、人工的な”霧”を大量に発生させて制作」したものだそう。
滝の近くに行くと、噴霧された水が周辺を覆って地面も濡れていますよね。あの感じを10倍くらい大きくした霧は、周辺が見えなくなるくらいの白い世界を創り出します。
鑑賞時間は5分、鑑賞に最適な場所は?
- 開催時刻:10:30 11:30 12:30 13:30 14:30 15:30
※毎月第1土曜13:30からは15分間
※冬季(11月下旬頃~4月上旬頃)は休止、そのほかイレギュラーの休止あり
館内の展覧会を鑑賞した狭間に、2回観ることができました。雲の中って、こんな感じなのかなというほどの真っ白な世界。熱くない温泉場にいるような感覚もあります。
美術館を訪ねた4月末は長野の清涼な空気もあって、鑑賞に良いタイミングでした。
前回訪れた際は、流行り病の影響で休止していたと記憶していますが、展示再開したみたいでなによりです。
開催時刻には美術館スタッフも作品の近くで待機されていて、そのうちのお一方にどこで観るのが最適か聞いたところ、風向きによって霧の流れが変わるので、ここというポイントはないとか。美術館と東山魁夷館をつなぐ連絡通路からも観るのも良いそうです。
中谷芙二子さんの同作シリーズは世界各地に
作者は1970年の万国博覧会で『霧の彫刻』を初めて発表して以降、日本のみならす世界各地で80の霧の作品を発表しているのだそう。
ちなみに中谷芙二子さんの父親は中谷宇吉郎。世界初の人工雪の開発に成功し、雪の結晶の研究でも知られる物理学者です。