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菊之丞さんの『妾馬』:殿様に負けず劣らず品のいい八五郎

上野鈴本演芸場2024年9月上席夜の部 古今亭菊之丞「鈴本動物園」

上野鈴本演芸場2024年9月上席夜の部は古今亭菊之丞さん主任ネタ出し公演「鈴本動物園」。初日に伺いました。

(途中から)
あちたりこちたり 小満ん
素人義太夫 歌奴
仲入り
漫才 風藤松原
生徒の作文 駒治
紙切り 楽一
妾馬 菊之丞

菊之丞さんの『妾馬』

母親と兄の八五郎の3人暮らしの孝行娘おつるは、長屋を通りかかった殿様に見初められ、側室に。ほどなく世継ぎの男児を産んだおつるは出世し、殿様はぜひ兄の顔が見たいと八五郎を屋敷に招く。
べらんめえ口調の八五郎は、殿様を前に「御奉る」などの敬語に四苦八苦。供された酒にすっかり酔っぱらった八五郎はおつるに、母親にひと目、隙間からでいいから赤ん坊を拝ませてやってくれと頭を下げる。
おつるから殿様に頼んでみると聞き入れられた八五郎は浮かれ、都々逸をひねる。

八五郎の屈託ない人柄を気に入った殿様が、八五郎を侍に取り立てるのがスタンダードですが、菊之丞さんはその辺りに触れず、得意の喉で都々逸を披露してサゲ。
このシンプルな感じがいい。母親の頼みを伝えるので、十分な人情噺の出来上がりですからね。

にしても、演じ手のカラーが出る演目です。傍若無人な八五郎も、菊之丞さんが演じるとどこか上品になるのがご愛嬌です。

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hiroki「酒と共感の日々」

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Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性