2020年(令和二年)の鈴本演芸場正月初席の第三部、八日目(1月8日)を観てきました。正月の初席を見ないと、1年が始まらないというくらい、定番の私的行事になりつつあります。
顔見世特別公演ですので、続々と出演者が登場します。それぞれの持ち時間は正味5分~10分くらい。あっという間です。それでも初席は、アーティストの短曲のオムニバス盤を聴いているような感じで、楽屋裏の活気を想像するだけでも楽しい。そんな初席も、6日を過ぎると幾分正月感が薄れ、会場が落ち着いた感じにもなります。その替り目がまた良かったりもします。正月のソワソワとふだんの寄席のユルーイ感じが入り混じった、とでも言いましょうか。
好きな噺家さんばかりの鈴本の初席ですが、なかでも小三治さん。出演したのは2・3・5・8日のみ。どうしても見たいと人は、この限られたチャンスをものにするしかありませんね。その小三治さんは落語はやらず、フランク永井さんとの思い出話を。「公園の手品師」という曲を披露する一幕も。まさか落語家の高座で歌を、それも小三治さんで聴くことになるとは思いもよらず。しかもあの低音ボイスですから、固唾を飲んで聴いてしまいました。
もうひとつ。プログラム上で交替出演の、のだゆきさんとペペ桜井さんの共演が見られたこと。のださんのピアニカとペペさんのギターで、名曲「春の海」の演奏を聴けたのです。こういうサプライズも正月ならでは。
三増紋之助、柳亭こみち「たけのこ」、柳家はん治「ぼやき居酒屋」、ニックス、宝井琴調「三方一両損」、柳家小里ん「手紙無筆」、のだゆき、五街道雲助「勘定板」、林家彦いち「睨み合い」、林家あずみ、柳家権太楼「町内の若い衆」、
休憩
太神楽社中、春風亭一朝「宗論」、柳家小三治、江戸家小猫、古今亭菊之丞「長短」、林家正楽、柳家三三「転宅」