東京・サンシャイン劇場で上演の演劇集団キャラメルボックスの芝居『ミスター・ムーンライト』観劇(2024年12月22日マチネ)。
ひとことで言えば、人は誰かのためにどこまで粉骨砕身できるかをSF的に描く作品です。
半年前に事故で亡くなった女子大生に主人公が「憑依」されたことで、半ば巻き込まれる形で親友の窮地を救おうとする展開に引きつけられます。
あらすじ
図書館勤めの作家志望の男・鹿島は、オドオドして身体も弱く周りからは軽く見られがちな青年。彼はある日、見知らぬ家に不法侵入するなどの奇行を起こし、警察沙汰になる。行く先々、女子の言葉遣いで関係者に絡むその姿は、亡くなった女子大生・かすみの口ぶりに似ていることが判明する。
かすみは鹿島の親友・結城の最愛の妹で、半年前に自動車事故で亡くなっていた。
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自動車を運転していたのがかすみのボーイフレンドってのがキモで、ボーイフレンドは助かっている。結城はボーイフレンドに怒りを募らせている。
こんな構図ですので察しのいい人なら、なんとなく先々の展開が想像しやすいでしょう。
個人的所感
本作は2001年7月の初演以来23年ぶりの再演とのことで、初演を観ていない身として、それなりの期待感があったわけですが。前半が正直退屈でした。
とはいえストーリーのわかりやすさと、怒涛のような感情のもつれあいをスピード感をもって見せてくれるので、後半はクギづけに。最後は満足な舞台でした。
キャラメルボックスの舞台を観るのは1999年の『TRUTH』以来。正直この劇団は現代劇よりも時代劇がダントツなんだよな。