宝塚歌劇星組の東京公演『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』、ショー『『Gran Cantante(グラン カンタンテ)!!』を観てきました(2022年6月28日ソワレ)。
「めぐり会いは再び」は小柳奈穂子先生の作・演出によるラブコメディで、2011年に柚希礼音さん主演で上演された作品の続編にして第3作。
小柳先生自身、自分の大劇場デビュー作がトップスターが代替わりした後にも”シリーズ化“するとは思っていなかったことでしょう。
第1作・2作のヒロインであるシルヴィア(夢咲ねね)の弟ルーチェ(礼真琴)は、煮え切らないキャラで恋人アンジェリーク(舞空瞳)との仲がなかなか進展しない。
そんな折、地方の王族家の依頼により、花婿選びのパーティに探偵として潜入したルーチェは、そこでアンジェリークと出くわして……。
アンジェリークの正体がやんごとなき王女であったという王道のストーリーゆえ、ハッピーエンドまで安心して見られました。
ただ、前半がひじょうにバタバタしていて、前2作を見ていない人にはいささかキツかったのでは。
要素を詰め込むあまり、時間内で説明するには駆け足すぎといった感で、小柳先生らしからぬ前半。
ですが、後半のまとめ方と伏線の回収はさすがで、最後の最後に「次回作」を匂わせるあたりのサービス精神にもニヤリでした。
今回で卒業となる天寿光希さん、音波みのりさんの見せ場、演出が随所にあって、感慨に浸りました。
組長・副組長、あるいは専科を目指すものだとばかり思っていたので。
なじみのある人が舞台を去るのは寂しいなぁ。
いっぽうで組子の成長度合いが目覚ましく、うれしい誤算です。
特に2番手スターである瀬央ゆりあさん、極美慎さん、歌も芝居も上手くなりましたね。
以前とは段違いで今後がますます楽しみですわ。
ほんとは大型連休中に大劇場で観劇するはずがあえなく中止で、今回ようやく……。
久しぶりに生で見る星組の一体感、そして相変わらず元気いっぱいな礼さんの変わらぬ姿に安堵しました。
歌唱のパワーがますますUPしています。
公演中止に地団駄踏んでいることは間違いなく、それを噯にも出さないところがまた健気。
でもね、「それでこそ礼真琴!」と喝采を送るのであります。