『ANOTHER WORLD』/『Killer Rouge(キラー ルージュ)』 (東京宝塚劇場で2018年7月22日まで上演)、6月26日ソワレを観てきました。RAKUGO MUSICALと冠に銘打たれた一幕の芝居『 『ANOTHER WORLD』は万人受けするような演目ではありません。が、蓋を開けてみれば紅ゆずるさんの弾けっぷりが炸裂する三枚目な仕上がり。そのチャレンジに拍手を送りました。
作・演出は谷正純先生。落語噺「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」「朝友」「死ぬなら今」といった、死後の世界を舞台とした古典落語をモチーフにした舞台です。和ものは宝塚歌劇の定番ジャンルの一つですが、この演目は異色といっていい。観客を明るく笑わせようという趣向は、紅ゆずるという従来にない陽性のトップスターを得なければ成り立たないでしょうね。
途中、宝塚ファンなら誰もが知る重鎮の演出家・植田紳爾先生をdisるかのような、まさかの辛口の場面に驚きましたが。谷先生は植田先生に師事していたそうで、「特別出演していただきました」とプログラムに寄せていました。なんとオマージュでしたか。
2番手スター・礼真琴さんが手堅い歌と踊りでしっかりアシスト。この人が上手袖から登場して、朗々と歌い始めると、場が引き締まります。なんせ宝塚をライブで観るのは今年初。しばらく見ないうちに、ずいぶん大きな存在になってしまったのだなぁとしみじみ。
2幕の『Killer Rouge(キラー ルージュ)』 は打って変わってプレ台湾公演仕様のキザなショー。作・演出は齋藤吉正先生です。齋藤先生といえば猫耳を用いる印象が強いのですが、今回は濃赤のベルベットカラーの衣装もばっちり決まったショーでした。全体の構成が今ひとつつかみづらく、もう1回観ないといけないかな。