東京宝塚劇場で雪組公演『凱旋門』を観てきました(2018年8月25日、マチネ)。
脚本は柴田侑宏さん、演出は謝珠栄さん。柴田先生といえば『あかねさす紫の花』『うたかたの恋』などの悲恋ものも有名です。僕は霧矢大夢さんが月組トップスター時代に観た『アルジェの男』が鮮烈でした。
あまりに唐突で非情で投げやりな終幕。かつてのドラマ『Gメン’75』(TBS)のエンディングを彷彿とさせる救いのなさでした(小学校低学年から、こんなドラマにハマっていたテレビっ子なんです)。
柴田先生には、だからドラマティックでハードボイルドたっぷりな物語を期待していたのですが。第二次大戦直前のパリを舞台にした、恋と人間ドラマの重なり合いは、いささかヘビーな暗さでした。
後半の『Gato Bonito!!』は演出・藤井大介さん、音楽を青木朝子さんのゴールデンコンビによる派手派手なショー。
藤井先生は男役スターを女装させる、あるイミ容赦のない演出には、好みが分かれそうなところ。僕はこのやり過ぎ感とゴージャスで切れ目のない構成がたまらなく好きで、ますます手がけてほしいところ。
音楽の青木先生も、まぁメロディアスで甘美でどこか憂いを帯びた楽曲も毎回素晴らしく、今度のショーもそう。藤井&青木はクレジットを見なくても分かるゴールデンコンビですね。
雪組公演を観るのは久しぶりでした。現トップの望海風斗さんが就任してから、ようやく初めて行きました。望海さん、響かせ系のボーカルに磨きがかかって絶好調に見えます。
専科の轟悠さんを生で観るのは、確か2012年の『エリザベート スペシャル・ガラコンサート』の雪組初演バージョンで観て以来。実に6年ぶりです。相変わらずのクラシックな男前ぶりで、カッコよかったなぁ。
たまに行く宝塚は贔屓の手前、星組ばかりですが、他の組を観るのはやはり楽しかったです。もっと劇場に足を運ばないといけませんね。