仕事納めの日が近づいてくると決まり文句で「よいお年をお迎えください」とあちこちから聞こえてきます。
「よいお年を」などという声かけをするのは公私問わず、かかわりのある人なわけで、年明け早々にまた新年の挨拶がある。
減るもんじゃないし定型コミュニケーションゆえこの手の挨拶はしますけど。苦手なんですよね、区切るのが。
相手によっては「うるせー余計なお世話だ」と内心毒づいている性分で。
トシを取るにつれ、年から年に移ることに特別感がなくなってきました。
クリスマスから正月にかけての、洋から和に移る雰囲気が好きだったのは30代まで。
本来歓迎するはずのイレギュラーの冬休みは、いつしかせわしなく落ち着かない期間に変わりました。
年1のルーティンとして手帳を切り替えて目標を更新して記入するくらいで、正直これすらも儀式のようになっている。
窓を開けて空気を入れ替えるくらいの意味でしかないのです。
当年の手帳を振り返り、やりたいことができている点にニヤリとする。これくらいでちょうどいい。
「よいお年を」は締めくくりの言葉として定着していますが、無為なんですよね。「お世話になっております」と同じ。
それよりは「じゃまた(来年)」のほうが、しっくりくる。
よそよそしさや借り物でない等身大の言葉であり、関係性の継続や前向きな意味合いもある。
普段使いの言葉は、年末に使えば自然と締めくくりになるのです。
「よいお年を」なんて言葉遣いは似合わない正装をしているようなもの。自分の心と言葉で語りたいもんだ。