神田伯山さんが講釈している最中、ケータイを鳴らした客に対して苦言を呈したら、終演後のアンケートで客からクレームをもらったとのツイートを見かけました。
本件は鳴らした客が100%悪いですよ。
それに対して逆ギレする客などは笑止千万。そんなやつに会場に出入りする資格はありません。
講談のシリアスな場面に入っている際に、携帯を鳴らした人に心底がっかりしたけど。
すべてのアンケートを見て、おおむね好評で良かったものの。
『携帯鳴らされて同情しますけど、あんなに怒んなくても。もっと大きい人になって下さい。』
これには本当にびっくりした。世の中、色々な人がいる。
— 神田伯山 (@kanda_bou) January 21, 2024
落語や講談、演劇、映画そのほか芸術鑑賞でケータイがいけない理由は
- 鳴らした本人:周りに甚大な迷惑をかける、焦る、切った後もバツが悪い。
- 周囲の客席:鑑賞が一瞬にして台無しに。前方の舞台、高座、スクリーンに集中して入り込んでいた物語から一気に現実に引き戻される。
- 演者:実は最大の被害者。
書いていて情けなくなってくる。
こんなこと、今さらわざわざ書くようなことではないんだけどね。
落語会や寄席の引き合いに出すと、高座中にケータイ(スマホ)を鳴らした客への対応は落語家によってまちまちで、
「止め方も知らねえなら使うな」
と吐き捨てるコワモテの師匠もいれば、
「あ、着信音ほんとに気をつけてくださいね。アタシんときはいいけど、(次に出てくる)◯◯兄さんのときは切ってくださいね」
と優しくなだめる師匠もいます。
それでも鳴らす客への対応は?
抜本的な対策は、残念ながらありません。
公演の前に客ひとりひとりからケータイを預かるのはまず不可能だし、かといって持ち込み禁止にするわけにもいかない。
あとはホール側が携帯電話抑止装置(ジャマー)を実装するしかない。
東京では帝劇や国立劇場、宝塚劇場、鈴本演芸場などが導入していますが、これには総務省の免許が必要で、あまねく普及というのは難しい。
観客にペナルティを与えないと絶滅には至らない
結局は見る側=客側が自覚を持つしかないのです。
クレカの信用情報みたいに、鳴らした客の情報を主催者共通で持ち、3回以上やらかしたらすべてのエンタメ興行を出禁にするとかね。
もっとも周囲の人が通報しないとダメだからこれも無理か。
ケータイ鳴らすな、私語を慎め、前の席を蹴るな、前屈みに座るな……。
こんなふうに言われなくともわかる人にはわかるけど、阿呆な一部の人間のために繰り返しアナウンス。しかも守らない人間には、これらのマナー呼びかけは耳に入らない。虚しいかぎりだね。
客側が幼稚ではエンタメの質に影響しますよ。
昨年暮れに行った『海をゆく者』(PARCO劇場)は、そういうアナウンスが一切なく、開演すると自然と客電が落ちる)”大人の対応”で、それもまた気分が良かった。
繰り返すけど、客が大人にならなきゃ、成熟しなきゃダメだぜ。