喬太郎さんがイレギュラーで二席勤めた会。
『子別れ』を通しで演じた、さん喬さんが全部持っていってしまいました。
松竹梅 春風亭一之輔
真田小僧 桃月庵白酒
宮戸川(上) 柳家喬太郎
仲入り
白日の約束 柳家喬太郎
子別れ 柳家さん喬
2025年2月8日16時30分開演 コレド室町1 日本橋三井ホール
加療入院中の柳家権太楼さんの代演に注目していたのですが、結果は喬太郎さんが二席。
自身がこの会でやはり病気休演したことを、主宰の山本益博さんが根に持っていて……などと経緯をジョークで交わしつつ。
新作落語『白日の約束』は、ホワイトデーにちなんだデートの話。デートコースに彼女が指名したのは素敵なレストラン……ではなく、まさかの泉岳寺。同日は浅野内匠頭の命日でもあったのだ。
バレンタインデーが近かったこの日、喬太郎さんが気になっていたのは「山崎春のパンまつり」。
楽屋入りする前に会場近くのヤマザキデイリーストアに勇んだものの、シールを貼る台紙が置いてないとぼやくのが、いかにもこの人らしい。
さん喬さんの『子別れ』は権太楼さんとの通しリレーが当初のネタ出しでしたが、今回さん喬さんが自身が全編ひとり語り。
じーっくり聴かせる話芸の本領発揮なだけでなく、真の落語好きが伝わってくる温もりある高座でした。
手を抜く、加減するという言葉は、さん喬師匠の辞書にはないのだとつくづく。