古典落語の名手4人が集う『納涼四景〜長講競演落語会』に行ってきました(2022年7月19日、国立劇場小劇場)。
麻のれん 春風亭一之輔
寝床 柳亭市馬
仲入り
付き馬 桃月庵白酒
へっつい幽霊 柳家権太楼
一之輔さんはコロナ罹患から前日復帰したばかり。
病み上がりの高座でも隔離期間のエピソードをここぞとネタにして、マクラから全開。
10日間にわたり8畳間に奥さんと缶詰めになったときのことなど触れつつ、体調が悪くなった当日、J亭落語会の主催者に電話したところ、コロナを心配されたのではなく「捕まったんですか」。
爆笑を取りまくりからの、夏の噺。
その後に上がったのは、隣の国立演芸場でトリを務めた後に来た市馬さん。
一之輔さんのことを「上り坂の芸」と褒め、落語会で代演したことを振り返りつつ、「一之輔の代わりは務まりませんな」と。
でも芸と歌でカバーしたとトボけつつ、義太夫を聴かせたい旦那と、聴かせられたくない長屋の人々の攻防が可笑しい「寝床」を。
にしても、市馬さんにここまで言わしめる一之輔さんは凄い。破竹の勢いとはこのことだね。
一之輔さんが体調不良になった当日の落語会で組んでいたのが白酒さん。
案の定、一之輔さんを金の亡者的に散々いじり倒してからの「付き馬」。
トリの権太楼さんは「へっつい幽霊」。へっついとは竈門(かまど)のこと……なんて言っても今の人は分からんだろうね。
今で言うシステムキッチンって言い換えには、だからクスッとしちゃいました。