アフィリエイト広告を利用しています。

春風亭一之輔のドッサりまわるぜ2024ツアー初日@銀座。

春風亭一之輔のドッサりまわるぜ2024(銀座)

毎年恒例、今年で12回目となる一之輔さんの全国ツアー初日。
この企画はノリノリというか、自由で楽しげな感じが伝わってきます。
「最近毎日やっている」という『転宅』が素晴らしかった。

オープニングトーク 一之輔
唖の釣 与いち
浮世床-本- 一之輔
転宅 一之輔
仲入り
甲府ぃ 一之輔

2024年6月1日18時開演
銀座ブロッサム中央会館

一之輔版の『転宅』

『転宅』はある大店の主人の妾宅に忍び込んだ泥棒が、その妾の機転で逆にカネを巻き上げられる滑稽噺。
泥棒のドジっぷりが見ものですが、一之輔さんの泥棒はこれに非モテの悲哀が加わるから、なお面白い。
部屋に入るや否や膳の残り物に手を出し、あまりの美味に我を忘れる泥棒。
お菊という妾に見つかり、ダンビラを振りかざそうにも近所の厠に置き忘れる始末で、挙げ句、取りにいってくるから待ってろ、と。

私も同じ商売で、おばあさんは「高橋おでん」というんだよ、とお菊。
色仕掛けで「名前で呼んでおくれよ」というお菊に、どもりながらやっと名前を言うのが本寸法ですが、一之輔さんは違う。
なんと「……じゃ、言うよ。じゃあ……高橋」と、まさかの名字呼び。
ここまで来て距離感を詰めきれないのが、悲しくも可笑しい。

一之輔さんは女性が出てくる芝居をあまり掛けない印象がありますが、泥棒のキャラが勝ったということでしょうか。
「落語の登場人物と友達になる」という一之輔さんの、愛すべき馬鹿野郎への親愛。
なにより古典の読解力の深さがなければ、このようなアレンジは成しえません。

軽めの噺ということでの2席目でしたが、内容に一之輔さんの真骨頂を垣間見ました。

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性