鈴本演芸場2019年(令和元年)6月上席夜の部は、桃月庵白酒師匠がトリ。その2日目に行ってきました。
林家ひこうき「狸の札」、橘家文吾「強情灸」、ダーク広和「奇術」、柳家喬之助「宮戸川」、柳亭市馬「道灌」、林家楽一「紙切り」、春風亭百栄「寿司屋水滸伝」、橘家文蔵「のめる」
(仲入り)
ホームラン「漫才」、古今亭菊之丞「長短」、柳家小菊「粋曲」、桃月庵白酒「井戸の茶碗」
上記の通り、豪華な顔ぶれ。まるでオムニバスのベスト盤を聴いているような組み合わせが、フツーに見られるときがあるんですよね、寄席って。なにも正月興行に限った話ではないんです。
白酒師匠は「井戸の茶碗」を。お、珍しく人情噺? と思いきや。白酒師匠がやるとなると、ただの人情噺で終わるはずがない。
どちらかというと滑稽噺にベクトルを向けているかよう。「井戸の茶碗」は主要登場人物の浪人・千代田卜斎と武士・高木佐久左衛門の正直者同士の意地の張り合い的な清々しい面白さ(?)が聴きどころ。
白酒版「井戸の茶碗」は、2人の間をとりなす(ほとんど使いだて)くず屋の清兵衛を柱にしている感。人使い荒く、ああでもないこうでもないと金を受け取ろうとしない2人に業を煮やし、清兵衛さんはキレまくり。激おこプンプンの清兵衛さんに、2人の武士がツッコミを入れるというアレンジが可笑しい。
そう、この物語の清兵衛さんは見事な助演キャラなんだけど、武士に挟まれて損な役回りだなと気になっていたんですよね。もう少し取り分があってもいいよなぁと。だから白酒版の「井戸の茶碗」は、共感しつつ笑いまくりました。
それにしても。このブログで落語をネタにするのはもう止そうと思いましたが、噺家さんに迷惑にならない、差し障りない範囲で書く分にはいいかなと。都合よく解釈しちゃいます。
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