2025年初の落語は鈴本演芸場の新春寿寄席(二之席)八日目夜の部から。喬太郎さんのまさかの『任侠流山動物園』に、衝撃と放心でした。
サイン 馬雀
奇術 ダーク広和
家見舞 扇遊
露出さん 百栄
ウクレレ漫談 ウクレレえいじ
楽しい山手線 駒治
法事の茶 三三
仲入り
紙切り 二楽
馬のす 文蔵
ものまね 猫八
任侠流山動物園 喬太郎
上野鈴本演芸場2025年正月二之席夜の部は、毎年おなじみ柳家喬太郎さん主任公演。
寄席は流れというものがあって、後半は文蔵さんの『馬のす』、猫八さんの動物ものまねを挟んで、喬太郎さんで『任侠流山動物園』です。見事に動物つながり。
同作は落語界の鬼才、三遊亭白鳥さんの原作。『清水次郎長伝』を下敷きに、動物を主役とした異色の任侠もの。千葉県の流山動物園と東京の上野動物園を舞台に、展示動物たちによる意地と意地のぶつかり合いが繰り広げられます。
このシリーズは現在全10作の大河ストーリーで、白鳥さんに言わせると未完とか。白鳥さんは続き物として『落語の仮面』のほか、昨年から古典落語の『茄子娘』改作をシリーズ化すると豪語しています。
で、喬太郎さん。噺の途中で「前からこれをやると決めていました」と嘯きつつ、ブヒブヒとかモーッとか豚や牛の鳴き声を披露したり、笹をはむパンダの形態模写をしたりとか。
漫画的世界をイキイキと表していました。
喬太郎さんはじめ落語界の売れっ子は、少々やりすぎなくらいの高座で占めていて、抑制の効いた人はまずいない。
寄席は二之席までは正月ですから、これくらいはっちゃけててちょうどいいのかもね。
新作でならしている喬太郎さんですが、実際に耳にする「ブヒー」は相当なインパクト。おかしさよりもシュールな衝撃でした。
「三遊亭白鳥作 任侠流山動物園の一席でした」と作者名を添えての締めくくりも良哉。