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PARCOプロデュース公演2024『リア王』をスクリーンで観た感想

PARCOプロデュース公演『リア王』パンフレット

PARCO劇場がスクリーンで過去に上演された演劇作品を上映する「デジタル・アーカイブ・シアター 2025」で、『リア王』(2024年3月、東京芸術劇場プレイハウスで収録)を観てきました。
段田安則主演、ショーン・ホームズ演出、松岡和子訳の本作。リアルで見逃したのが悔しいくらいの素晴らしさですが、それ以上に大スクリーンで見る演劇に違和感がなかったのが驚きでした。
その点について少しだけ。

この『リア王』では真っ白なセットにコピー機やOHPが両端に配され、さながら北欧デザインのオフィスのよう。
そこに段田安則扮するリア王と、そろいのドレスを着た3人の娘たち(江口のりこ、田畑智子、上白石萌歌)が入ってくる幕開き。
『2001年宇宙の旅』のモノリスを彷彿させるセットデザインが、バッチリとスクリーンにハマったんですわ。

その冒頭からゴツゴツ、ドロドロした陰惨な内紛劇が展開するわけですが、長女と次女の裏切り行為に遭ったリア王が次第に狂気を帯びてくる中盤から後半の破滅まで、変化の過程が生で観ているかの如く、手に取るようにわかる。
これは劇場の客席横幅いっぱいに展開しているシネマスコープさながらの大スクリーンと、カット割りをしていないロングショットが奏功した形です。
ロングショットといっても、ちょうど客席の前から4列目くらいの好位置で鑑賞しているような感覚。

PARCO劇場のホームページによると、8K映像で撮っているとのことで、そのライブ感も納得です。
ヘタに俳優の顔を大写しにするような細工をしていないから、生と大差ない臨場感がある。
生で観たい派としては、こうしてくれるほうがむしろありがたい。

他にも『オーランド』『桜の園』などを上映し、1作品3,000円。
エンタメもチケ代高騰の波が押し寄せるなか、この料金であれば迷ってチケットを取り逃した作品でも無理なく行けるというもの。
松岡和子さん、出演者の玉置玲央さん、平田敦子さんのアフタートークもあって、これまた得した気分。

昨今ODS(other digital source=映画以外のコンテンツの劇場上映)がすっかり定着し、演劇からコンサート、スポーツ中継までシアターでかけられるようになりました。
演劇では松竹の「METライブビューイング」や劇団☆新感線の「ゲキシネ」、宝塚歌劇各組の千秋楽公演など、全国の映画館が満席になることも珍しくありません。

ひじょうにいい試みなので、PARCO劇場さんにはこうした流れに乗って引き続きお願いしたいところです。

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性