『無名』(2023)、『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』(2023)などに続き、トニー・レオンの悪いキャラな面を楽しめます。
タイトルの『Fox Hunt フォックス・ハント』(2025年・中国/Lie hu xing dong)は中国警察の経済犯罪捜査官を指す異名で、この“狐狩り隊”がパリに姿を現した金融詐欺犯を追い詰めていくストーリーです。
以下ネタバレと鑑賞後感を簡単に紹介します。
『Fox Hunt フォックス・ハント』あらすじ
上海を拠点とする大規模な金融詐欺の首謀者ダイ・イーチェン(トニー・レオン)の姿がパリでキャッチされる。中国の経済犯罪捜査官イエ・ジュン(ドアン・イーホン)は直ちにフォックス・ハントを結成し、ダイの資産回収と身柄確保のためパリに乗り込む。
が、ダイは自らの居場所を伝えてイエ側を罠にかけるなどしてチームを翻弄。イエはパリ刑事ノエル(オリビエ・ラブルダン)の協力を得るが、ダイは追跡を巧みに交わしつつ、捜査員に反撃を仕掛けてくる。
結論:アクションの娯楽をまぶした中国警察のプロパガンダ
『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』の詐欺師と被る役をトニー・レオンが再び。ただ本作『Fox Hunt フォックス・ハント』では、実のところ登場場面がさほどでもなく、キャラ造形ももうひと押しほしかった。
イエに囲まれながら手錠姿で中国の空港に降り立つダイを映しつつ、「中国警察は犯罪者の海外逃亡を許さない」とのメッセージを入れながらエンディングロールを流す終幕に「これは中国製だったんだ」と唐突に現実に戻されて苦笑。
非協力的なパリ警察の刑事を酒席で口説き落とすとか、クライマックスのカーチェイス中にタイヤの摩擦熱をカムフラージュにしてマンホールからダイが逃亡するとかも観ながら展開が読めて興ざめ。
ましてや犯罪者ダイと捜査官イエのカウンターとなる女性が両方殺されるなんて。特に後者の刑事(エリカ・シアホウ)は重要な役柄なのに追っ手との格闘の末に射殺されてしまう。
演じるエリカさんは本作で脚本も兼ねているようですから理解に苦しみます。キャラクターにもっと愛情を注いでくれ。
『ポリス・ストーリー/REBORN』(2017・中国)を手がけたレオ・チャン監督はスリリングなアクションを見せてくれますが、脚本の粗さが目についてしまいました。
期待先行で拍子抜けした105分、全体としては悪くないのになんか物足りない。惜しい作品です。
2026年1月8日16時35分上映回 TOHOシネマズ日比谷スクリーン6
