紙の本好きとしてはリアル書店の存在がひじょうに大きいのだけど、年々減りゆく現状に憂うばかり。
そんな暗澹たる界隈を鼓舞するようなイベント『KINOFES 2026』(2026年1月31日20時30分〜翌2月1日6時、紀伊國屋書店新宿本店、入場料3,850円)に参加してきました。
その感想を少しだけ。
告知チラシの「音楽みたいにフェスをしてみたい。本屋は思ったのです。」とのコピー通り、通常書店が営業を終える時間帯の特別営業として、チケットを購入した人が店内で行われるさまざまなプログラムに参加できる趣向です。
1階入口受付で受け取ったリストバンドを付ければ入退場自由ですので、食事やコンビニでの買い物なども支障ありません。
会場は紀伊國屋書店本店ビルの1階〜8階で、各階の片隅では文化人やタレント、著者などがトークショーなどを繰り広げていました(事前予約制)。
私も「人生を変えるブック占い」という企画に参加を申し込んでいたのですが、会場が見つけられず、あえなく参加見送り。
6階は貸切でミステリーイベントを、7階は24時以降休憩フロアとしてピラティスマットなどを貸し出していたようです。

ブラブラしてもいいが、目的があるとなおいっそう楽しめる
ここからは感想。
音楽のフェスではお目当てのミュージシャンのステージに照準を当てる参加者が多いと思いますが、今回のKINOFESでは正直「この人の話を聴きたい、生で見たい」人は不在でした。
プログラムがそそらなくてもフェス自体に興味があったのとオールナイト(もはや死語)のワクワク、これが参加の動機です。
24時過ぎても煌々と照明が点灯した店内は、行き慣れた空間なのにどこか非現実的。
私は文庫・新書や戯曲のコーナー近辺で興味のある本を手に取って斜め読みを繰り返しました。
ただ、各階を徘徊し続けるのは限界があるだろうと、折り畳み式のコンパクトチェアを持参してきたのですよ。
27時を過ぎたあたりから3階のエレベーター前でちんまりと座っていたのですが(エレベーターは運営スタッフと出演者専用のため参加者は使用不可)、この時間になると猛烈な眠気に勝てず、始発が動く時間までうつらうつら。
店内フロアは始終活気に溢れていて、ほんと皆さん元気ね。
特定のジャンルの本、好きな著者の本を漁るなど、プログラム以外の時間に何かテーマや目的を決めて楽しむのも一興かと。
今回の私のように出たとこ勝負ですと終盤グダるかなぁと。もし次回が企画されて参加するなら、その辺を考えていくことにします。
退店際に文庫本や書籍など計5冊購入して、朝5時過ぎに店を後にしました。
書店の気概を感じさせたのが最大の効果
読書人口の減少や、本そのものもネット書店や電子書籍に押され、リアル書店は防戦一方。
ですが紀伊國屋書店のこの企画はそうした負の現実にめげず、できることを率先するという書店の情熱を感じます。
手をこまねているのではなく、あっと驚くことを。たとえ一過性であってもバズればこっちのもん。
少しでも本と読書の裾野が広がれば大成功でしょう。関係者含め750人が参加したという実績は、他の書店でも同様の企画を促す契機となるかもしれません。
紀伊國屋書店さん、すてきな企画をありがとう。またぜひやってください。


