東京・浜松町の文化放送本社内のホールで定期的に開かれている落語会に初めて伺いました。
代脈 ぼんぼり
短命 白酒
船徳 㐂三郎
仲入り
唖の釣り 㐂三郎
花筏 白酒
2026年6月27日 @文化放送メディアプラスホール
文化放送は自社展開する落語聴き放題サブスク『らくごのブンカ』の音源を収録するため、この会を主催しているんですね。
チケットも会場内で次回開催分を前売りしており、席が余ればぴあなどに流れてくるのでしょう。
主催者はチケットプラットフォームを介さずして確実に売上が見込めるし、客もプレイガイド利用手数料を取られなくて済むしでいいことづくめ、合理的です。
柳家㐂三郎さんは夏の噺『船徳』を。
遊びすぎて勘当され船宿に居候する若旦那の徳さんこと徳。
四万六千日で船頭が出払っており、船宿の女将は常連客の無理強いを断りきれず徳を船頭に出す羽目に。
案の定、徳は櫓も満足に漕げず、ひ弱なうえに格好つけてばかりなので船が迷走、客は逃げ出すこともできず冷や汗をかく。
懸命に演じた㐂三郎さん、高座での動きが大きくなるのも相まって文字通りの熱演でした。
㐂三郎さんは満員の客席にまくらで「完全にアウェーですね」などと。んなこと言わなきゃいいのに。
噺家にとってのホームとは自分がトリをとる寄席か独演会くらいで、アウェーで芝居してナンボ。
いろんなところで演じていれば新しいファンもつくチャンスも増すわけで。
桃月庵白酒さんは相撲噺の『花筏』で、病に伏す大関の代役として土俵に立つ羽目になった相撲未経験の商人、提灯屋の顛末記です。
地方巡業では地元で一番強い素人力士と取組がなされるため縮み上がる提灯屋(=大関花筏のそっくりさん)だが、相手の素人力士もまた怖気づく。
取組で提灯屋がとっさに手を上げた拍子に相手がよろめいて土が付く。「張るのは上手いはず、提灯屋ですから」と下げます。
かなり噺をアレンジしている白酒さんですが、1席目の『短命』といい、どちらも噺を弄らずに手堅く客を笑わせていた印象。かえって新鮮です。

