9月20日、BAR&ウイスキー愛好家向けアプリHIDEOUT CLUB(ハイドアウトクラブ)が主催するテイスティングセミナーに参加しました。テイスティングアイテムは、シングルモルトウイスキー「タリスカー」4種類です。
講師はMHDシングルモルトアンバサダーのボブさんこと、ロバート・ストックウェルさん。タリスカーといえば島地勝彦さんとボブさんですよね。ニューヨーカーでありながら、グレンモーレンジなどスコットランドの4つの蒸留所で働いていた方。日本語もペラペラなのです。
テイスティングは「色を見る」「香りを楽しむ」「味わう」の3本が基本といえますが、これを「カッコよく行う」のがボブさん流。グラスのボウル部分に触れないようにベースを持つのですが、そのときに親指でベースの上を、人差し指でベースの下を持つと、かっこよく映るそう。
液体をスイングさせて空気になじませるのもおなじみですが、右手で回す場合は反時計回りに、左手で回す場合は時計回りに。そうすることで万一中身が外に出てしまっても、周囲に被害が及ばないわけですね。
僕などは左手指でグラスのステムを持ってテイスティングし、右手でメモるのがノートをとるときの動作ゆえ、ボブさんのスタイルには面食らってしまいました。でも、ボブさんのスタイルはなるほど確かにクールですね。最後に小首を傾げてグラスを見つめるのも決めポイントだそう。
4種類のテイスティングアイテムは、タリスカー10年、タリスカーストーム、タリスカー18年、タリスカーディスティラーズエディション。
乾杯=「スランジバー」の音頭とともに、1アイテムずつ丁寧に試していき、テイスティングを1アイテム終えるごとに、製法の詳細な解説に聞き入りました。
樽のピークは25年で、それを上回ると熟成が進みすぎて美味しくないこと。グレンオード製麦所(蒸留所も有名)から送られる大麦をさらに「ヘヴィピート」にするため、蒸留所でフェノール値を調整すること。タリスカーの風味が潮風に由来するという説がデタラメであること。ボブさんが流ちょうな日本語でズバズバとこれらを教えてくれました。
僕はタリスカーのこの4種類の中では18年が一番好きなのですが、その18年をボブさんが「グリコっぽい」と表現していたのが面白かった。18年の樽はアメリカンホワイトオークとヨーロピアンオークの両方を使っているゆえ、スパイス感とキャラメルっぽさが同居し、バランスもいいんですよね。
タリスカーは好きなウイスキーですが、あまりにスタンダードゆえ、きちんとテイスティングして飲むことって案外ないんですよね。最後のほうの歓談タイムでは、参加者の皆さん、同じテーブル同士で楽しそうでした。
そうだなー、次はボブさんのおすすめの「軟水でトゥワイスアップ」という飲み方も試そう。そういえばトゥワイスという飲み方、久しくしてないな。そんなふうに余韻に浸りつつ、一人千鳥足で帰ったのでした。