ウイスキーばかり飲んでいますが。新しいもの、未知のものを追うあまり、スタンダードに立ち返ることが少なくなってしまう。これは注意しないといけないと思います。
完全に「忘れる」ことはないけれど、感覚が「鈍る」とでもいうのかな。自分の中での軸・基準をもとに、いろんなものを体験し、それを積み重ねていく。
迷ったときは「グレンモーレンジ18年」、最初に訪問するBARでは「マンハッタン」を作ってもらう。こういう感じです、ぼくの場合。
ウイスキーを飲み比べするときでも、まず現行の汎用品やスタンダード(それを熟知しているなら、自分のいちばん好きなアイテムでもOK)を基点にしたうえで、他のアイテムを体験していく。でないと、どうしても評価軸がぼやけてしまうんですよね。
車のマニュアルトランスをニュートラルにするように、そこに立ち返る、そこから起動する。
まずは今、流通しているものを押さえて(体験し、身体にしみこませたうえで)、そこから同銘柄のシリーズもの、同銘柄の旧いものへと体験していく。
なにごとも基本が大事というのは、そこを知っていないで同列を語ってもただのモグリだから。
スタンダードを知っている、基本を体得しておくのは、どの世界においても大事なことなんですよね。新しい知識を入れるのと同じくらい、意識しておきたいことだと、飲みながら思いました。