花組トップスター、明日海りおさんが2019年11月の東京公演千秋楽で退団するそうですね。星組トップスターだった柚希礼音さんの6年を超える在任期間になるかと思いましたが、5年6カ月ですか……。このタイミングでの発表はかなり意外でした。
なにしろ星組・紅ゆずるさんの退団発表の衝撃も冷めやらぬなかで、ほとんど間を置くことなく明日海さんですから。世代交代が本格的に始まったということなのでしょうか。
明日海さんがトップスターとなって最初に観たのが、まさにお披露目となる『エリザベート』(2014年)でしたか。たしかムラの、しかもSS席に近い前のほうで観て、あまりの美貌に「これはファン以外も惚れるだろう」と唸ってしまったのを覚えてます。わずかに明菜の顔立ちを思い起こさせるものもありました。
以降、飛び飛びでしか観ていませんが、直近では『ポーの一族』(2018年)でしょうか(チケットが取れず、DVDで観ました)。原作そっくりのエドガーで、アラン役の柚香光さんとも異常なほどマッチしていました。見事なまでの寄せ方、演出の小池修一郎先生も待った甲斐があったというものでしょう。
ただ、この『ポーの一族』のころすでにそうでしたが、明日海さんはトップスターになって非常に痩せてしまったように見えます。倒れやしないかと心配したくらいで……。
過酷なまでに忙しく、かつ組子たちを引っ張っていかねばならない。大階段で背負う羽根の重み以上のプレッシャー。トップスターになるとは、言い尽くせないものがあるでしょう。
それと明日海さんといえば、トップスター就任以前、組替え前の月組時代の『アルジェの男』(2011年)という印象があるんですよね。このハードボイルド作をぼくは大好きで、突き放したようなドライな終わり方と、明日海さんのケリの付け方の演技にも衝撃を受けたものです。
いつもながら、とりとめのない書き方になりましたが、今年はいろいろ動きがありますね、宝塚。今年は個人的にもいろいろ気ぜわしいので、ビッグニュースはもうこの辺にしておいてほしいです。