何の気なしにテレビをつけたら、井上陽水さんが。2回にわたって井上さんを特集したNHK総合『SONGS』観ました。
3月に開かれた弾き語りライブの模様に、ロングインタビューを挟む構成。いやもう、この人のトークに聞き入りました。
喋り方、内容。その肩の力の抜け方に、凄みを覚えたほど。
特に強烈だったのは、ライブ中のMCやリハーサルについて触れたくだり。たしか「羞恥心が摩耗する」というような表現でした。
神経質であり、真剣なアーティストを指し「『集中できないからカメラ止めて』って人もいるけど、そういうのが滑稽に思える年ごろになってきた。自分のこと勘違いしてない?みたいな(笑)」
たしか、こういう旨の表現(録画してない)。井上さんは「自分もそうだったかも」とエクスキューズをつけてたと思いますが。かなり痛快でした。くーーっ、聞かせてやりたい人がたくさんいるわ、いるわ。
井上陽水さんくらいの人が言うと、たとえ戯言だったとしても意味は大きい。
こういうアーティストの話、聞きますよね。アーティストとは何もミュージシャンだけでなく、画家や俳優かもしれないし、古典芸能の世界の人かもしれない。のみならず、一般社会のサラリーマン、無名人にも当てはまりそうです。
自意識過剰という言葉があるように、これは自戒しなきゃいかんと思います。
ぼく自身は今、いかに役に立てるかに執心してますが、むしろ人気絶頂のとき、周りから持ち上げられている時期のほうが怖さがあります。
本人にしてみれば些細な言動かもしれないけど、その一挙手一投足は周りに大きく影響している。
自分のことだけ考えすぎて、人の気持ちを置き去りにしないようにしないと、ね。
あなたの仕事は至芸かもしれないが、人の気持ちを考えられない人を、断じて認めることはできないのです。