地下鉄でバケモンを見ちゃった話。れっきとした人間なんだけど、振る舞いを見て「こうはなりたくないない」って人を久しぶりに目の当たりにしました。
日曜日の夕方の地下鉄某線。シルバーシートの車両ドア側の脇に立ってスマホをいじってたら、隣に杖をついた爺さんがやってきてね。いつもは他人様に目もくれないけど、爺さんががっつりぶつかってきたものだから顔を見てやったわけ。
で、爺さんは立つなり吊り革につかまりもせず、3人がけのシルバーシートの端に座っていたご婦人に「席を譲ってくれませんか?」と声をかけました。そのご婦人はイヤホンで耳ん塞いでいたものだから、爺さんの声かけに全く反応しない。
終わるかと思いきや、むしろここからが本番。ご婦人の手をツンツンと突き、イヤホンを外させて、前のめりになりながら席を譲るように迫る。ご婦人は状況が飲み込めていないのか(あるいは端から譲る気がなくとぼけているのか)、「はい? なんですか、なんですか?」と爺さんの目を見て聞き返す。
いいかげん諦めそうなものだけど、ご婦人に声が届いてないとみるや、突如「だめですか? 譲ってもらえませんか?」と大声。結局、隣に座っていた青年男子が黙って席を譲る形で、寸劇は幕となりました。
こうも図々しくなれるのか
杖をついていて不自由なのだろう、好き好んで乗るわけがないのにラッシュ時の電車に乗らざるを得なかった事情があるのだろう。
そうした想像を差し引いても、一連のやり取りに非常に不愉快な気持ちになったのはなぜか。
- 人にものを頼む態度でなかったこと
- 「おまえは俺に席を譲って当然」と態度に表れていたこと
- 最初に若い男性に声をかけるのではなく、ご婦人に声をかけたこと
通勤電車には乗り慣れていますが、こういう醜い面を臆面もなく振り撒いている人は、めったに見かけない。間近で見る「弱者の恫喝」ってやつに、血の気が引きましたわ。
おそらく。このご老人は、シアワセにも周りに気を遣われて生きてきたのだろう。しかし、なんでも思い通りになり、周りが自分の言うことに従って当たり前というマインドのまま、歳を取ってしまったのは不幸と言えなくもない。増長させてしまったのは、周りの人間の責任でもあります。
どうということのないまとめ
他人を踏みつけて自分本位に生きられたら、人生楽しいか。少なくともぼくは全然楽しくない。他人を自分に従属させて当たり前という思考は想像できないんですよ。根っこが優しく育ってきたもので。
独裁者とか暴君とかはもちろん。人の気持ちは読めないけど、少なくとも想像を放棄することはしたくない。それは人間をやめることと同義と捉えます。
価格:1760円 |
価格:1980円 |
「今どきの若者」のリアル (PHP新書) [ 山田 昌弘 ] 価格:1078円 |