カクテルのマンハッタン大好き人間ゆえ、スイート・ベルモットには目がありません。過日、スペインのスイート・ベルモットを飲み比べする機会がありました。数種類あったの中から選ばせてもらったのは、下記の2つ。
ルスタウ ベルモット ロホ 15%
熟した果実をたくさん満載したような、そんなベルモットです。ひとくち、ふた口と含んでみると、コックリとした味が舌と鼻を絨毯爆撃してきます。ルスタウのブランドサイトによりますと、10年以上熟成したアモンティリャードとペドロヒメネスをベースシェリーに使っているそうで、甘さ一辺倒でもない程よさにニンマリな感じです。
フェルナンド・デ・カスティージャ ベルモット 17%
これですね、飲む前に「ソースのようですよ」と教えてもらい、口に含んだ結果、その通りのお味! まさしくウスターソースそのもので、あのブルドックのラベルを瞬時に思い浮かべたほどです。上のルスタウも太いボディと思いますが、代わる代わる飲むと、こちらのほうがよりスパイスを伴う味わいを感じます。
ベルモットといえば、カルパノ社のアンティカ・フォーミュラ、チンザノ社のロッソ、ドライベルモットならマティーニやノイリープラットしか知らんかったです。
生産地はイタリアかフランス。構成比率70%以上という辛口白ワインをベースとして、ブランデーを加えてアルコール度数を高め、ハーブやスパイス、砂糖などを添加する……くらいの知識しか持ちあわせてないのですが、スペイン産というのに虚を突かれました。よくよく思えば、酒精強化ワインのシェリー酒の国ですから、ベルモット生産など造作もないこと。
で、シェリー酒をベースとしたベルモット。なんら違和感ないどころか、スルスルと飲めてしまう。これを目隠しで出され、シェリー酒がベースと気づけるか。「美味しいスイート・ベルモットですね」で終わる自信満々です。
ベルモット、いやはや奥が深いです。個人的にはカクテルの副材料のイメージで、単体で飲むのはバーテンダーがお忙しかったり、締めの酒としてロックでいただいたりというシチュエーションでしたが、目的を持って飲む酒になりました。またひとつ良い勉強。山崎さん、ありがとうございます。
@ GOYA