愛あるものの原点を探るのが、人間の特性のひとつ。

B’z稲葉浩志ファンの知人が岡山県津山市に遠征したという。目的は津山市で行われたB’zのライブ。津山市は稲葉さんの出身地で、念願叶っての凱旋ライブだそう。

だが、今回のライブは地元ファンのためのライブであり、ファンクラブのメンバーでもチケットが取れないらしい。なのになぜ遠征? 彼女いわく、

「同じ空気を吸っていたかったから」

健気だ。ぼくもそれくらい夢中になれるアーティストがいればなあ。会場外で漏れ聞こえてくる音を聴きながら、気分に浸ってたに違いない。

さすが稲葉さん。そういうファンが大勢いると知ったのだろう。なんとラストの3曲だけ、音を聴かせるために会場の扉を開け放ったとか。粋なことするよね。ぼくはB’zを全然知らないけど、見直しちゃったよ。

B’zファンに限らず、人間って、好きな人やものに対して、好きが高じるとその原点を探しに行く生き物なんじゃないかな。

龍馬ファンがその墓参りに行く、モーツァルトのファンが生家を訪ねる。ワイン通がロマネコンティの畑を前にひれ伏す、サッカーマニアがイングランドのウェンブリースタジアムで狂喜する。

生きていくうえで未来について考えるのは大事。それと同じくらい過去を知る、歴史を学ぶことも大切にしたい。歴史さらに経験から身を以て知ることが、やがて血肉になり、自分のものとなるのだと思う。

と考えてたら、冒頭の知人、なんとラスト3曲は会場外で聞き損なったらしい。そのときすでに会場を離れて「飲みに行ってた」そうだ。なんのために遠征したんだか。