スペイサイドのダフタウン地区にあるバルヴェニーは、グレンフィディック、キニンヴィの姉妹蒸留所でもあります。
グレンフィディックはメジャーに訴求するシングルモルトですが、バルヴェニーはより高級なハイブランドという印象です、
そのバルヴェニーの限定「Tun1401」をいただくことができました。
バルヴェニー(Balvenie) Tun1401 Bach5 50.1% OB 2012
- 香り…強い。ブドウ、ウイスキーの貯蔵庫(樽の山)。合間に金属的なハードな香り。
- 味…重厚。それでいて、スルスルと飲める優しさ。麦やシェリーの合間にブラックペッパー。甘さの温かみのある長い余韻。
- 総評…口に含むなり、黙り込むしかないモルト。ただひたすら甘美で美味。
96点
いやぁ「言葉を失う」とは、このこと。
美味としか言いようがありません。
末席を汚しているウイスキー講座で、講師の根本さんのはからいにより、出会うことができました。
惜しげもなく機会をくださり、感謝しかありません。
TUN(タン)とは、原酒をヴァッティングさせる特製の木桶のこと。
根本さんの資料によると、このTunシリーズは、
熟成年数の異なる、複数のシェリー樽・バーボン樽をヴァッティングしたスモールバッチ、カスクストレングスでリリースされたボトル
ということです。
TUN1401のバッチ5はシェリー樽4つ、バーボンホグスヘッド3つ、バーボンバレル2つ。
計9つの樽構成で、1966年蒸留〜1991蒸留の原酒が使用されています。
むむむっ、けっこう古いですね。
根本さん曰く「単独では熟成が進みすぎていて飲めないのを、ヴァッティングすることで生かした」と。
であれば、ヴァッティング技術と、Tunのチョイスが融合した素晴らしい結果です。
最初は蒸留所見学コース限定販売だったものが、話題を呼んで一般に発売されるようになったというのも、うなずけます。
数多あるウィリアム・グラント&サンズ社の木桶の中でも、Tun1401は一等美味になる桶、ということなのでしょう。
1401は在庫が尽きてしまったらしく、現在はTUN1509、台湾向けのTUN1858がリリースされています。