ハイランドモルトのグレンタレットといえば、個人的には猫ちゃんと雷鳥のイメージ。
猫ちゃんは「タウザー」という名のメスで、この蒸留所に棲みついて、2万8,899匹ものネズミを捕まえたという伝説のあるディスティラリーキャットです。
このグレンタレットは雷鳥のラベルでおなじみ、ブレンデッドウイスキー「フェイマスグラウス」のホーム蒸留所でもあります。
スコットランド最古の蒸留所であり(1775年創業)、猫ちゃんと雷鳥という天敵同士が同居するという蒸留所でもあり。
そんなストーリーがなんとも面白い。
ですが、シングルモルトそのものには正直あまり印象ないんですよね。
こんにちは、hirokiです。
というわけで、そのグレンタレットを見かけたので、いただきました。
グレンタレット ピーテッド 40%
- 香り…やや主張あり。麦芽が前面。オートミール、藻岩の岩壁と岩肌。
- 味…ライトボディ。もみ殻、豆苗、湯でといた甘くないオートミール。甘めの生姜スープで締めくくり。
- 総評…入浴時に使う軽石のイメージ。穀物っぽさと溶岩が混じったような、いわく言い難い複雑さ。
83点
正直「なんか素直じゃないな。グレンタレットって、こんなにクセあったっけ?」と訝しむこと数分。
ラベルをよぉく覗き込んでみると、「PEATED」の文字が。
何口か飲んで「??」となって、ようやくなるほど!となりました(気づくの遅っ!そもそもラベルがピートを焚いてる絵柄じゃん、ねぇ)。
いただいたピーテッドは、グレンタレットがリブランドする1世代前のパッケージのものでした。
なんというか、複数のアイラモルトやハイランドパーク、タリスカーのような「主張するスモーキー」ではないのです。
良い意味で「ピート(泥炭)そのものの臭さ」が漂っているモルトです。
そう、まさに泥臭い。
先入観なしに飲んで「んー?」と首を傾げ、飲んでる途中でピートを効かせたものと知って、合点がいきました。
スモーキー&ピーティって、島系の上述以外にもベンリアック、ベンローマックのような、明らかに個性の異なるスペイサイドモルトもありますし。
そう簡単に、十把一絡げにできないと思いません?
あ、ちなみに、タウザーの後を継いだ2代目ディスティラリーキャットの「アンバー」ちゃんは、ネズミの捕獲は全く駄目らしいですね。
実物を見て、なでなでしたいなぁ。