シングルモルトの大手インポーター「ジャパンインポートシステム」が手がけるボトラー、キングスバリー。
そのブレンデッドウイスキーをいただきました。
キングスバリー メインバライル 25y 1993 43.1%
- 香り…華やか。ブドウ、柑橘のフルーツ、ハリエニシダ、植物油。
- 味…ふくよかでスムース。麦芽の甘さ、熟したブドウ。甘さ控えめのミルクチョコレート。
- 総評…スモークがほぼない。モルトの良いところ取りで、どれかに偏ることのない絶妙さ。
89点
@True-Blue
メインバライル(Mhain Baraille)という、ゲール語の舌を噛みそうなネーミングは「シングルカスク」を意味するそう。
このメインバライル25年、ブレンデッドといっても構成原酒が錚々たるもの。
マッカラン、グレンリベット、グレンロセス、ハイランドパーク、ブナハーブンといった名だたる蒸留所のモルトで70%を占めています。
オロロソ・シェリー樽によるシングルカスクで、ラベル裏には単一のカスクナンバーが記載されています。
アルコール度数だけで一見するとわかりませんが、カスクストレングスです。
なのに、驚くほどスムースで飲みやすい。
各モルトの良いところ取り、といった様相です。
少し前のレアル・マドリーやヤンキースといった、屈指のプレイヤーを集めたチームが、必ずしも好成績を納めないように。
複数のトップドレッシング(ブレンデッドウイスキーの柱となるモルト)を寄せ集めても、機能しないんじゃない?
なーんて心配は取り越し苦労でした。
この場合、扇の要の役割をグレーンが担っているのでしょう。
その分、マッカランもハイランドパークも個性を主張しすぎることなく、ケンカする事態にはなっていない。
これがまさにブレンデッドウイスキーの良さでもあり、意地の悪い言い方をすれば「個性の相殺」でもあり。
なぜって、個人的にはブナハーブンやハイランドパークの側面たるスモーキー&ピーティは、全くと言っていいほど感じられなかったから(自分の鼻の質を棚に上げますが)。
これらの比率や、原酒混和のタイミングも不明ですので、なんとも言えませんが。
ブナハーブンやハイランドパークは「隠し味」のように使われているなら、それはそれで面白いなと思います。
そうですねぇ、たまに手に取りたくなる「人気アーティストオムニバスのベスト盤」みたいな感じでしょうか。
でもこのベスト盤は限定ゆえ、残念ながら現在ネットショップではほとんど見かけません。