11月26日(日)、ベルサール高田馬場で開催のウイスキーフェス。午前11時30分〜12時30分の「厚岸蒸溜所の挑戦と未来予想図」テイスティング付セミナーに参加しました。結論から言えば「素晴らしい」のひとこと。特に蒸溜5カ月というニューボーンにやられてしまいました。すでに少し酔ってますが、勢いで書いちゃいます。
講師は創業から1年が経つ厚岸蒸溜所の立崎勝幸所長。「未来予想」というセミナータイトルですが、終始自信たっぷりの語り口にその高い完成度が裏打ちされているかのようです。
「厚岸は日本のアイラだ」と立崎さん。冷涼な気候、ラムサール条約登録湿地で乱開発されない土地。厚岸蒸溜所は位置的に内陸ながら釧路特有の海霧が潮の香りを運んでくれるそう。こういうストーリー、たまらんですね。
厚岸のここ1年はマッシング(糖化)こだわってきたといいます。なぜなら麦汁=wortの質が良くないと、どんなに後工程を頑張っても原酒は美味しくならないから。
さらに力を入れてきたのが「異物混入対策」。ウイスキーは製造免許のほか、食品衛生法の縛りがあり、これは保健所の管轄による検査があります。厚岸蒸溜所では可能なかぎり「床のドライ化」をしているそう。蒸溜所って、さまざまな液体に満ちているから床がウェット状態なのは普通なんですよね。
床がドライといえば、今年初夏に行ったハイランドのウルフバーン蒸溜所がそうでした。非常に殺風景な印象でもありましたけど、それは清潔感保持のためでもあるのですね。
試飲は4種類(アイキャッチ写真)。すべてにおいて柑橘のような瑞々しさを感じるものでした。
非常にやさしい「ニューメイク」、ちょっと粉っぽく煙さ控えめの樽詰め前「ニューメイク ピーテッド」、オークと化学薬品が半ばする「ニューボーン プロトタイプ 熟成5カ月」、チョコレートのような甘みを感じる「ピーテッドウイスキー 参考品 熟成3カ月」というラインナップ。
ぼくは3番目の「ニューボーン」がいちばん気に入りました。2018年2月、なんと3,500円前後での展開予定とかで、本当ならば費用対効果抜群! これは買いです。
セミナーのラスト、立崎さんがスタッフ間で教訓にしている言葉を紹介してくれました。
「現状維持では後退するばかりである」
元はウォルト・ディズニーの言葉だそうです。厚岸流に捉えるなら麦の品種、酵母の選など、ありとあらゆる素材・工程を日々検証し、改良を加えていくということ。これは自分自身にも当てはまることで、とっても感動しました。
待望のシングルモルトは2020年2月リリース予定だそう。それまで楽しみにして待ちます。