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久しぶりの上野鈴本で、雲助さんの「お初徳兵衛」。

鈴本演芸場2020年(令和2年)7月下席夜の部

五街道雲助さんがトリを務める、鈴本演芸場2020年(令和2年)7月下席夜の部。5日目(7月25日)を見てきました。
3月3日以来実に約4か月半ぶりに足を運ぶことができ、ほんとにうれしい、うれしい。

こんにちは、hirokiです。
今日は鈴本で聴いた落語の振り返りを少しだけ。

雲助さんは「お初徳兵衛」を。
「お初徳兵衛 浮名の桟橋」の「馴れ初め」で、長い物語の前半部ですね。
この「お初徳兵衛」自体、近松門左衛門「曽根崎心中」の本歌取です。

ぼくは最初全然不明で、若旦那が勘当されるくだりに「唐茄子屋政談」かと思い、勘当後に船頭になったくだりに「船徳」のロングバージョン?と想像し、どこに連れて行かれるのだろうと思っていたら。
なんかムードがしっぽりしてきて、「お初徳兵衛」という心中の物語だったわけです。
「船徳」チックなのはそれもそのはずで、初代三遊亭圓遊という人が「お初徳兵衛」をコミカルに改変したとか。

後半にしたのが志ん生から雲助さんの師匠である十代目馬生師匠に伝わった世話噺だそうで、これはやる人を選ぶ演目です。女性から男性を口説く噺に「宮戸川」がありますが、あれば小気味よさとコミカルさがあるから、演者のアレンジが効かせやすい。

そこへくると、「お初徳兵衛」は演じ手を選ぶ、つまり噺家のテクニックとルックスが両立していなければ成り立たないという難しい噺です。

どこか影のある徳兵衛と、その徳兵衛に幼いころから恋焦がれた芸者・お初さんのツーショットを、いやらしくなく、茶化すでもなく、この先どうなるんだろうと聴かせられる力量があって、かつ、ある程度以上のルックスが備わってないと厳しいわけです。
パッと思いつくのは、それこそ雲助さんのお弟子さんである、馬石さんにこの噺を期待したいかなぁと。

この日は三遊亭白鳥さんのお弟子さん、ぐんまさんの二つ目昇進ということで、本人もかなりテンション高め。
古典の「菊の皿」かと聴いていたら、途中から呆気にとられる流れに。
これは「新版 お菊の皿」と言ってもいいのではないでしょうか。
ぐんまさんが、現在の二つ目の中でもセンスを感じる数少ない人で、今後が楽しみであります。

久しぶりの寄席は、噺家さんも色物さんも熱量高く、「あぁ、流してやってるな」という人が皆無で、これもうれしい。
とにかく皆さん、元気でよかったよ、ホントに。

鏡味仙志郎・鏡味仙成 三遊亭ぐんま「お菊の皿」、古今亭菊之丞「酢豆腐」、笑組、三遊亭圓歌「やかん」、桃月庵白酒「粗忽長屋」
休憩
ぺぺ桜井、蜃気楼龍玉「夏泥」、林家楽一、五街道雲助「お初徳兵衛」

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

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