有楽町よみうりホールで行われた「柳家小三治 独演会」に行ってきました。ホールで小三治さんの落語を観るのは初めて。寄席の鈴本で聴いた以外の大ネタを期待していたのですが。意外にも古典のおなじみの噺でした。てっきり大ネタを披露するかと思っていたので、ね。自分の浅ましさよ。
「五目講釈」柳家三三
「千早ふる」柳家小三治
休憩
「長短」柳家小三治
まくらが長いのは想定していたのですが、想像以上の長さ。なんと60分以上も喋り、舞台袖にいるマネジャーさんから口頭で注意が入ったほど(それでも終わりにしない)。会場のお客さんに「落語やらないのかな」という空気がよぎったのですが、さすがに小三治さんです。そんな空気を読んでか読まずか、「ちゃんと落語もやりますから」と。
まくらの内容はツイッターのタグでも追っていただければ分かるので詳細は割愛しますが、山口県の錦帯橋を再訪した話から、兄弟弟子の入船亭扇橋さんとのエピソードへ。
「もういないから言うんだ」と悪口っぽく話しつつ、その実、愛情や思い出たっぷりというのが伝わってきました。小三治さんはまくらで、どこに連れていかれるか分からないスリリングさがあります。思い出話から本題とオチを繋げる技術(という言い方はふさわしくないか。でも成り行き?というのも変な気が)、すごいなと感嘆するばかり。
恐れながらひとつだけ言わせてもらいますと、最近になって落語の良さがちょっぴり分かってきた身としては、やはり「落語」が聴きたいなと思います。「以前から小三治さんを見ていなかったオマエが悪い」と言われればそれまでですが。人間国宝に対してリクエストなんて野暮なんでしょうね。とにもかくにも行けるときに足を運んで、その時間と空間をライブで楽しみたいですね。