アフィリエイト広告を利用しています。

アイリッシュウイスキーのすてきな6種。

アイリッシュウイスキー

アイリッシュウイスキー、今までスルーしがちでスマン!という会でした。
いえ、嫌いでも無視しているわけでもなく、単純に「なんとなく優先度が低い」という感じだったのですよ。

スコッチよりも歴史が古いといわれるアイルランドのウイスキー、その精鋭をいただいてきました。
ウイスキー文化研究所認定ウイスキープロフェッショナル・根本毅さん主宰のウイスキー講座で、今回(第25回)のテーマは「5大ウイスキーの一つアイリッシュウイスキーを楽しむ」です。

体験できたのは、冒頭アイキャッチ写真のアイリッシュウイスキーです。
初めて目にするボトルというだけでなく、そのどれもが素晴らしい。
根本さんによる解説資料とコメントもとに、テイスティングの個人的主観を下記にメモります。

ヘネシー ナ・ジェーナ(Hennesy NA-GEANNA)Single Irish Malt Whiskey 1998年 non-age 40%

  • 香り…レモン、オレンジ、麦芽。
  • 味…コニャックのごとき甘味。ババロア、蜜をかけすぎたホットケーキ。

アイリッシュウイスキー「ヘネシー ナ・ジェーナ」

コニャックのトップメーカー、ヘネシー家7代目当主が祖国アイルランドのために、アイリッシュモルトウイスキーを発売したという逸品。
蒸留はクーリー蒸留所で行われたそう。
甘すぎない、軽めのババロアやパンナコッタを食べているようなデザートチックな香りと味がたまりません。

「ナ・ジェーナ」とは12世紀以降長きにわたりイングランドの植民地支配から逃れるべく、大陸に渡った若者を指した言葉から。
創業者リチャード・ヘネシーもその一人としてフランスに行き、ルイ15世の近衛隊士官としてコニャック地方に駐留したことがきっかけで、コニャックの製造に取り組んだとか。
それが今日の成功に繋がっているのですから、すごい話だよなぁ。

ブッシュミルズ(Bushmills)Single Irish Whiskey 16y 40%

  • 香り…ピーナッツバター、ジャム入りのビターチョコレート。
  • 味…飲みやすい半面、かなりの飲みごたえ。アーモンド、メロン、余韻は長い。

オロロソシェリー樽とバーボン樽で個別に熟成した原酒をヴァッティング後、ポートワイン樽で半年のフィニッシュをかけているそうです。
現行のブラックブッシュが、より深みを伴ったような……そんな感じです。

ちなみにブッシュミルズの所有はメキシコのテキーラメーカー、クエルボ社。
年間生産量450万リットルは、ニッカの余市と同程度です。

ブッシュミルズ16年

ジェムソン(Jameson)Blended Irish Whiskey 12y 1990’s OB 43%

  • 香り…シェリー酒、麦芽。レーズン多めのドライフルーツ詰め合わせ。
  • 味…ひじょうな温かみで甘い。コーヒー、レーズン。

リッターボトルのオフィシャルで、免税店限定のジェムソンです。
シェリー樽熟成のノンピート3回蒸留のポットスチルウイスキー75%以上とグレーンウイスキーを混ぜたブレンデッドだそう。

ミドルトン蒸留所のアイリッシュブレンデッドで、シェア70%、年間の販売量は750万ケースと、他を圧倒する人気。
アイルランドのいち地酒が、グレーンとのブレンデッドで北米を軸に世界市場で通用するウイスキーになったのは、ジェムソンの偉業なんでしょうね。
「飲み過ぎると目がつぶれる」という冗談もある「パワーズ」や、名称もかわいい「パディー」も、このジェムソンブランドの一角です。

ジェムソン12年(1990年)

カネマラ(Connemara)Peated Single Irish Malt Whiskey 12y 40%

  • 香り…埃、仁丹、ケールサラダ。後半に発酵臭。
  • 味…薄甘い。特徴がとらえづらく、喩えに難儀。

アイリッシュといえば3回蒸留が特徴の一つですが、カネマラはスコッチと同じ2回蒸留。
このカネマラはバーボンホグスヘッドの12年熟成で、フェノール値は20ppmとピート前面ではありませんが、骨格あるウイスキー。
ですが、なんというか……拾いづらいというのが感想。
実際「優しい感じのピートでフルーティ」や「探しに行かないと自己主張しない」と言う参加者も(実に上手いことを……テキストいただきます)。

カネマラ12年

レッドブレスト(Redblest)Potstill Whiskey 15y 46%

  • 香り…熟成庫にいるような樽香が前面。レーズン入りのカヌレ。
  • 味…この中では重み。フルーツたっぷりのパウンドケーキ。

ミドルトン蒸留所による3回蒸留のポットスチルウイスキーです。
胸に赤い羽根のある英国の国鳥で、シェリー樽熟成の赤身を帯びた原酒が名称の由来だそう。
レッドブレストは個人的にどっしりとヘヴィで、この価格としても安易に飲めるものではないですが、じっくり飲むことができました。

レッドブレスト15年

ティーリング(Teeling)2003-2019 15y 55.3%

  • 香り…ヘーゼルナッツ、東鳩のキャラメルコーン、チョコレート。
  • 味…バナナとミルク入りのシリアル。最初は甘すぎと思うものの、飲み進むにつれ心地よさ。

「ターコネル」のモルト原酒で、クーリー蒸留所で2回蒸留されたシングルカスク。
こちらは2019年のウイスキーフェスティバルin東京用に詰められた、バーボン樽ものです。
本来アイリッシュといえば、南国フルーツ(レッドブレスト21年など)のイメージですが、このティーリングがまさにそれ。

ティーリング15年

それにしても、スコットランドにせよアイルランドにせよ、アメリカにせよ。
遡ると暗い歴史を隠しようがありませんが、秀逸な酒が生まれる背景には、戦争に象徴される人間の対立の歴史があるわけで。
そして、今の時代がまさにそうですが、悪く言われることがありながらも、なぜ酒文化が今に残っているのか。
最も長い歴史を持つウイスキーから、柄にもなく考えた瞬間でした。

……っと、今回もいい感じで酔うことができました。
ご一緒したみなさま、今回もありがとうございました。

@Bon Vivant

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性