桜尾蒸留所の1stリリースシングルモルト2種類をテイスティングしてみました。
違いは明確で、桜尾は尖ったヤンチャさ、戸河内は軽重バランス取れた穏和さ。
どちらも初出とは思えない素晴らしい出来でした。
原酒は同じながら、桜尾蒸留所の敷地で熟成させたのが「桜尾」で、一部の原酒を戸河内トンネルで熟成させたのが「戸河内」。
それだけの違い? これが仕上がりは全く異なるものだったのです。
シングルモルトジャパニーズウイスキー 桜尾 カスクストレングス(SINGLE MALT JAPANESE WHISKY SAKURAO 1st Release) 54%
- 香り…レーズンバター、イチジク、オランジェット。残り香はアーモンドチョコレート。
- 味…ベリー系のフルーツ、カルダモン、アンゴスチュラビターズ、カシューナッツ、後口はスパイス。
- 総評…うっすらと煙い。複雑でありながら若武者のようなやんちゃさも垣間見る。
85点
クリームシェリーの樽で熟成させた原酒を使用。
原酒はノンピート&ピート麦芽両方使用しているそうで、めっちゃ彩り豊か。
落ち着きの無さ、鋭さを見せつつも老成感もある不思議。
シングルモルトジャパニーズウイスキー 戸河内 カスクストレングス(SINGLE MALT JAPANESE WHISKY TOGOUCHI 1st Release) 52%
- 香り…りんごやみかん、盛岡のドライサイダー、うさぎ屋のどら焼き。残り香は豆乳。
- 味…みかん、クリームサンド、糖蜜たっぷりのパンケーキ。
- 総評…麦芽様の甘さ前面。穏やかで飲みやすい。デイリーにしたいモルト。
88点
ノンピートのバーボンバレル原酒をブレンド。
バーボン樽系の穏やかなものが好みゆえ、スペックを聞かないまでも個人的な軍配はこちらでした。
雑誌ウイスキーガロア27号(2021年8月号)によると、戸河内は旧国鉄時代に使われていた鉄道用トンネルで寝かせたもの。
どういうわけか、ここで寝かせるとまろやかな味わいになるそう。
特殊な環境が、熟成が進んだ数年後どのように影響をしていくのか楽しみ。
それにしても桜尾も戸河内も、3年熟成で恐るべき仕上がり。
10年程度と言われても「そうですか」とうなずいていたことでしょう。
次回リリースには熟成したものだけでなく、いろんな樽で仕込んだものを期待したいです。
@Cocktail Works Ueno
桜尾蒸留所は見学可
桜尾蒸留所はビジターセンターを設けており、予約すれば蒸留所見学も可能です(税込2000円/月~土曜日:10時30分、15時00分 ※英語案内14時00分の回もあり)。
見学ツアーの後はウイスキーやジンのテイスティングができるそう。
蒸留所限定のレアな原酒が飲めるかも!
シングルモルトやブレンデッドウイスキーだけでなく、ジンを製造しているのも桜尾蒸留所の特徴。
ジンに地元広島産の素材をふんだんに取り入れているのも魅力です。