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インタビュアーの「意地悪な質問」について思うこと。

どうもネタくさい内容なのですが。Facebookのフィード上に流れてきたある記事。意地悪な質問をした記者に対し、カズこと三浦知良さんが取材で見事な受け答えをしたという様子を再現していました。

なんだか記事そのものや、記事へのコメント等々の反響を見てみると、カズの見事な返しよりも質問した記者へのバッシングが激しくて驚きます。ちょっと待て。この「意地悪な質問」があったから、カズの素晴らしいコメントが飛び出したんでしょう。事務的な振りや相手をほめそやす質問をしたって、つまらない教科書的・優等生的なリアクションしか得られないよね、普通は。記者をけなすのではなく、カズをほめようよ。

ぼくは仕事上、取材する側の人間です。取材は友達や彼女とする雑談とは全く違うもの。自分の聞きたいことが、相手の意に沿うような耳ざわりのいい質問とはかぎらない。

取材者の思考が右巻きか左巻きかは問題ではない。この記者さんとぼくは赤の他人で、擁護する必要もないのですが、「人気取りですか?」と聞いた気持ちは分かる気がします。というか、ちょっと笑ってしまった。本当の話ならなかなかすごい。フツーこんなふうに切り出せないぜ。

記者としてはこんな感じだったんじゃないかな。プロサッカー選手としてのみならず、本業以外にも忙しいであろうレジェンドが、なぜ子どもたちとサッカーを? 慈善目的だけでなく、もしやなにか戦略的なことがあるのかな? そんなふとした疑問。要するに、質問に悪意はなく、とっさに、なんとなく振ってみただけ。ぼくの好意的な推測です、はい。

カズに対して面識があり、深く取材をしている記者なら、こういう水の向け方はしないでしょう(したとしてもジャブ程度の冗談)。「相手の時間をもらってるんだから、失礼のない有意義な質問をしろよ」という向きもあるでしょうけど、そうした無為に見えるやり取りも含めて取材なのです、当事者にとっては。

某新聞社でバイトしていた学生時代、あるデスクが企業幹部へのインタビュー記事を出稿してきた記者の原稿をチェックし、ツッコミを入れていたことを今でもよく思い出します。

「おれたちはスポークスマンじゃない。相手の言っていることをふんふんとウのみしてはダメだ。相手の嫌がる質問もして、それにどう答えるのか反応を見るんだよ。やり方次第で、どこにも漏らしていないような話を引き出せるかもしれないだろ」

やり方次第で、か。ここが関係値を要しそうで、聞き手の手腕だけでなんとかなるものでもないかもなぁと内線電話でがなるデスクを見ながら思ったものです。

たしかに、いわゆる大マスコミの記者は「自分が正義」で「オピニオンリーダー」と思いあがっているフシはあります。昨今、取材を断られた家の塀を蹴るとか、大臣に挑発的な質問をする記者とかの例を引くまでもなく、メディアスクラムでターゲットを追い詰めるなんざ朝飯前。社会正義よりも本音はネタ優先。だからマスゴミといわれるのだけれど、そこにいる方の大半は「どこ吹く風」でしょうね。

取材相手・対象がどんな人であれ、いや、取材仕事以外にも。人と接するときは「バランス感覚」を大切にしたいです。まずは自分が色眼鏡を外すところから、ね。

この記事を書いた人

hiroki「酒と共感の日々」

hiroki

Webの中の人|ウイスキー文化研究所(JWRC)認定ウイスキーエキスパート|SMWS会員|訪問したBAR国内外合わせて200軒超|会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」でBAR訪問記連載(2018年)|ひとり歩き|健全な酒活|ブログは不定期更新2,000記事超(2022年11月現在)|ストレングスファインダーTOP5:共感性・原点思考・慎重さ・調和性・公平性