年に一度のファン向けのお祭り、落語協会「謝楽祭」。
昨年は中止でしたが、2021年は9月12日にオンラインでの開催でした。
例年なら湯島天神で開催されるはずですが、どうしたってものすごい人出ですから密になるのは必至。
中止こそ免れたものの、YouTubeでのライブ配信と知り、興味は半減。
当初全く視聴するつもりはなかったのです。
が、何の気なしに付けてみたら、いきなり柳家小三治さんがコメントを寄せていて仰天。
謝楽祭会場で小三治さんを会場で見かけたことはないですが、こうやってイベントのためだけに録画出演してくれるのはオンラインの良さですね。
10時スタートで16時まで。
小三治さんが登場した10時15分ごろ(?)から、終わりまで結局視聴し続けてしまいました。
PCでYouTubeを見たり、途中ラジオのようにながら聴きしたり、実に愉しかった。
今年の実行委員長は入船亭扇辰さん、副委員長は春風亭一蔵さんで、ふたりが進行を担当。
都内某所の「スタジオ」生配信には、入れ替わり立ち替わり噺家さんが多数カメラの前に。
噺家だけでなく、鈴本演芸場のお席亭や演芸専門誌「東京かわら版」のスタッフも登場。
午前は古今亭文菊さん、柳家さん喬さんが駆けつけ、午後は林家正雀さんや柳亭こみちさん&弁財亭和泉さんが踊りを披露したり。
林家しん平さんが自身の監督した新作映画『二つ目物語』の裏話や、三遊亭天どんさん&春風亭柳枝さんによる似顔絵芸など、盛りだくさん。
しかし最も面白かったのはダラダラと続くトークで、これらは実行委員を務める五明樓玉の輔さん、柳家喬太郎さん、林家彦いちさんが座卓前に陣取って展開。
ほんとくだらないことばかり、よくもまぁ延々と口から飛び出し続けるものです、あはは。
ちょっとここで再現して書けない内容もけっこうあって、皆さんテンション高かったですね。
冗談抜きに、6時間もの長丁場を持たせられる演芸のプロって、やっぱりすごいですよ。
途中ゲストで登場したさん喬さんが「内輪の話しかしねぇな」と呆れていましたけど、謝楽祭に参加するのは落語ファンですから、その辺はご愛嬌ですよね。
感心したのが、カメラや音声などは外部スタッフを使わずに自前でやっていたこと。
これといったトラブルなく完遂したのですから、素晴らしい。
担当したのは二ツ目で、デジタルネイティブな若い噺家だからこその仕事でしょうね。
みなさま、おつかれさまでした。
配信よりも断然ライブ派ですが、予想以上に面白く、見て良かったです。
2022年こそはリアルでできるといいな。
あ、メーンチャンネルの新真打ちの高座やサブチャンネルは2021年9月末まで見ることができます。